グループホームやサービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護を運営する真全(まっとう/横浜市)。神奈川県が優秀な事業所20ヵ所を年度ごとに表彰する「かながわベストセレクト20」を計4回受賞している。特徴的なのは、「動画」を最大限に活用した現場の取り組み。認知症ケアや事故分析、利用者の身体評価や研修などに活かしている。

 

 

防犯カメラも活用

 

同社が主に動画を活用している場面は、認知症ケアとして取り入れている「バリデーション」の指導時。バリデーションとは、「認知症の人の言動や行動を意味のあることと捉え、認め、受け入れる」コミュニケーション手法だ。それを組織全体で徹底すべく、考え方や具体的方法を職員に浸透させるために動画撮影を用いる。

 

「1度研修したからといって、職員が実行できるとは限らない。日々の現場の何気ない瞬間に、『今のコミュニケーションの仕方はバリデーションといえるだろうか』と都度指導していくことが必要」と新間満統括本部長は話す。

 

真全 新間満 統括本部長

 

 

 

そこで、職員が客観的に自身のコミュニケーションの仕方を把握するために、定期的に動画を撮影し合う。会話の内容、表情、姿勢、目線の高さなどの確認を繰り返すことで、バリデーションを実践する風土を醸成していく。これまでの動画記録数は計470にも及ぶという。

 

「『家に帰りたい』と叫ぶ利用者に対しては『ここが家でしょ』と否定せず、『帰りたいですね』と相手を受け入れる。この考え方で接すると、他施設で〝問題行動があった人〞も当社では落ち着きを取り戻していく」と新間統括本部長。利用者の気持ちを尊重し、自由に歩き、動いて生活してもらう自立支援に重きを置く。

 

 

その一方で、必要になるのはリスク管理だ。同社では廊下や共用部などに設置する防犯カメラの動画を事故分析に活用。重要なケースは動画を研修でも共有する。「カメラを確認すると、職員の証言と違っているケースも少なくなく、動画だからこそ客観的に検証できる」(新間統括本部長)。

 

また、身体的ケアの面でも動画を利用。例えば、入院している利用者の歩行状態を病院で動画撮影し、それをもとに施設での介助方法やケアする際の注意点などを入居前に職員が話し合う。

 

 

利用者を尊重する取り組みの結果、施設は常時ほぼ満室。要介護度が改善する人も毎年数名いる。他方で看取り率約8割という実績も持つ。これらの成果が認められ、「かながわベストセレクト20」をこれまで計4回受賞し、報奨金計400万円も獲得している。

 

表情、目線なども動画撮影・分析し、継続的に指導

 

 

 

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