「幼老複合施設」とは、保育園や児童館、小学校などの子ども用の施設と、老人ホームやデイサービスセンターなどの高齢者施設を併設した施設のこと。幼老複合施設が増加している理由は、少子高齢化の進行を背景に急速に増加する高齢者のための施設を限られた予算で早急に整備するという財政事情だけではありません。

幼老複合施設が増えている理由は財政事情だけではない

幼老複合施設に期待される異世代交流

公共施設の整備にあたって近年は、複数の施設を同一の建築物または敷地内に建設したり、既存施設の一部を他施設に転用するケースが増加しています。公民館や図書館、学童保育、子育て支援施設など複数の施設の機能を兼ね合わせた複合施設が、各所でに見られるようになりました。

こうした複合施設のうち、保育園や学童保育所などの子どもを預かる施設と、老人ホームやグループホームなどの高齢者施設が併設されているのが「幼老複合施設」です。保育園とデイサービスセンター、児童館と特別養護老人ホームなど、幼老複合施設にはさまざまな組み合わせがあります。

幼老複合施設が増えている理由は、厳しい予算の中で高齢者のための介護サービス基盤を整備するという財政事情だけではありません。家族や地域社会の変化にともなって失われつつある、高齢者や子どもなどの異世代交流の促進が期待されているのです。

幼老複合施設は高齢者の生きがいになる

幼老複合施設には「保育所とデイサービスセンター」のほか「児童館と高齢者福祉センター」、「保育所と高齢者福祉センター」、「保育所と特別養護老人ホーム」などが多く見られます。

近年では、小中学校にある余剰の教室をデイサービスセンターに利用するなど、学校教育施設と高齢者福祉施設の複合事例も増加。幼老複合施設の形態は、今後も多様化していくことが予想されます。

幼老複合施設の理想形は、設置・運営コストを抑える経済効果を最大化しつつも、子どもたちは入居者と接することで思いやりや優しさを学び、入居者は子どもたちから元気を分けてもらえるという構造の実現。高齢者にとっては生きがいに、子どもにとっては心の発達の力になるような幼老複合施設作りが期待されています。

幼老複合施設の最大のメリットとは?

幼老複合施設の最大のメリットといえば「高齢者が生きがいを持てる」が挙げられるでしょう。無邪気で積極的な子どもたちと触れ合うことで、自然に笑顔が多くなり、子どもを守り育てようとする役割意識が生まれ、自分が誰かの役に立てる存在であることを再認識できるのです。

また「高齢者の活動量が増える」ことも幼老複合施設のメリット。高齢者施設で腐心するのが、高齢者にいかに身体的な活動量を増やすかです。そのために、レクリエーションなどさまざまな機会を用意しています。それが、子どもの世話をしたり、一緒に遊んだりすることで自然と活動量が増えるのです。

活動量が増えるのは身体的な側面だけではありません。「脳の活性化が期待できる」ことも幼老複合施設のメリットです。動き回る子どもを見守ることで気を張る機会が増えるだけでなく、子どもとのコミュニケーションによって脳の活性化が期待できるのです。

幼老複合施設のデメリットは介護・保育の両立

逆に、幼老複合施設にはどんなデメリットがあるのでしょうか。1つは「スタッフの採用が難しい」ことが挙げられます。介護スタッフ・保育スタッフ共に人材不足と言われている中、その両方のスタッフを確保するにはどうしても困難が伴うのです。

また、「スタッフの負担が大きい」ことも幼老複合施設のデメリットでしょう。介護だけでなく保育の分野の知識がある程度は必要となるため、専門以外の勉強も必要となります。また、事故などがおきないように、高齢者と子どもの交流には、より細やかな配慮と見守りが必要です。

さらには、「感染症リスクのケアが必要」になることも幼老複合施設のデメリット。高齢者と子ども双方ともが抵抗力の弱い者同士です。お互いに感染症が伝染しあってしまうリスクがあります。とくに新型コロナウイルス感染対策などには、十分なケアが必要でしょう。

 

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