ペット共生型の障がい者グループホーム「わおん」「にゃおん」とは???(東京都千代田区)

 

 

株式会社アニスピホールディングス(以下、アニスピHD)は、2018年5月に「ペット共生型障がい者グループホーム」を直営事業所で千葉県八千代市に開設し、その後は直営事業所とともに、本事業への参入を希望する参画企業に縛りの少ない「レベニューシェア」モデルで全国に事業所を拡大。2020年5月時点の参画企業は141法人、施設数は北海道から沖縄まで230拠点となっている。

 

 

【8050問題+精神科病院のベッド削減による障がい者の住まい不足問題】

 

同社が展開する「障がい者グループホーム」とは、都道府県知事(政令指定都市・中核市は市)より障害者総合支援法に基づく「共同生活援助」の指定を受けて、障がい者に「共同生活の場=住まい」を提供するもの。

 

 

入居対象は、精神障がい者、知的障がい者、発達障がい者、身体障がい者、難病患者などで、同社のGHの入居者のほとんどは一般企業に障がい者雇用で就職又は就労支援事業所に通っている軽・中度(区分1~3程度)の障がい者。

 

 

 

 

 

2018年の事業開始から2年足らずで拠点数が急伸している背景には、諸外国と比較して非常に多い精神科病院のベッド数や、長い入院期間を削減・短縮していく大きな政策上の流れや、8050問題に象徴される障がい者の親の高齢化問題などがある中で、退院後や親亡き後の受け皿不足という問題がある。

 

日本にある精神科病院のベッド数は30万床を超える。先進諸国と比べると人口当たりのベッド数は圧倒的に多く、さらに平均在院日数も269日と群を抜いて長い。世界に目を向けてみると、スウェーデン16日、ドイツが25日、イギリスでも37日となっており、日本の状況は異常だと指摘する声も少なくない。

 

国は世界の情勢を鑑み精神科病院のベッド数を段階的に削減する目標を掲げ、2040年には10万ベッドまで削減させる考えだ。その実現に向けて「精神障害者の地域包括ケアシステム」の構築も進めている。

そこで必要になってくるのが退院後の安心した生活の場である障害者の「住まい」だ。退院する障がい者全員が、家族が引き受けて自宅に戻れるわけではない。家庭環境・状況により、「サポートのある住まい」を必要とする障がい者が多いのが実態だ。

アニスピHDが展開する障がい者グループホーム「わおん」「にゃおん」は、落ち着いた生活を送ることができるよう比較的小規模なホームで、男性棟・女性棟に分け、1建物あたり4~10名を基本とする。

 

最大の特徴は、犬・猫(など)のペット共生型ということ。これには2つの意味がある。まずは動物がもたらす健康効果(アニマルセラピー効果)だ。共同生活の場に動物がいることで散歩などの運動のきっかけづくりや、コミュニケーションの活性化につながる上、リラックス効果や適度の刺激を与えてくれる。

 

次に、共生するペットは保護犬・猫(その他「亀」や「鳥」などの事業所もある)であるということ。同社のグループホームが増えることで、殺処分される犬・猫を1頭でも減らすことができる。

 

 

【社会的意義と事業性】

 

アニスピHDでは、ペット共生型障がい者グループホーム「わおん」「にゃおん」を広めていくことで、障がい者の生活の場(住まい)作りを創出していくとともに、殺処分される動物を1頭でも減らすことを目的に、同事業の参画企業を募集している。

 

ビジネスモデルは一般的なフランチャイズ方式ではなく、より自由度の高い「レベニューシェア」モデルを採用している。レベニューシェアでは、参画企業の要望でサポートの範囲を自由に選ぶことができるのがポイントだ。

 

同社が提供する「プラットフォーム(業態)」に、100以上あるコンテンツから必要なもののみを組み合わせて支援を受けることが可能。

障害福祉事業が初めてで、開設から安定運営まですべての支援を受けることもできれば、すでに事業展開を行っている事業者は一部のみコンサルティングを依頼するということもできる。

ブランド名も「わおん」「にゃおん」を使用する必要はない(使用することも可能)

 

 

 

「まったくの異業種だが、『アフターコロナ時代』を考えると安定した新規事業の必要性を感じていた」(印刷会社)

「精神病院が近隣にあるが、生活の場がなくて困っている人が実際にいた」(NPO法人)

「高齢者介護事業をやっているが競合が多く苦戦していたので障害領域へ進出したかった」(介護事業者)

「空き家・空き物件の有効活用を検討していた」(不動産業)

 

障がい者グループホーム事業への参画理由や元の事業は各法人によってさまざまだが、開設(指定)から2ヵ月以内でおおむね満室になっているという。

 

初期投資額は不動産物件の賃貸か購入かなどにより変動するが、初期投資回収は目安としてオープン後6~8ヵ月。基本的には空き家の戸建て(元社員寮やアパート、民泊物件、マンションタイプなどもある)を賃貸で利用することから、施設を必要とするビジネスモデルの中では低額な初期投資での開業が可能だ。

 

非常に社会性の高い事業であり関連法令や行政折衝は細かく煩雑。これについては知識と実践により詳細を把握するための「わおん大学(5日間33時間)」を用意。開設から運営までのノウハウを詳しく学ぶことができる。

 

また、事業所開設後は「わおん/にゃおん参画企業経営者向け勉強会」を2ヶ月に1回(5時間)が開催されている。そこでは、福祉事業経営のポイント(法律、人材、物件、資金調達、マネジメント、リスクマネジメント、人材採用、請求管理など)を代表の藤田英明氏が講師として教鞭をふるっている。

 

同社では参画検討企業向けのオンライン合同説明会、及びオンライン個別相談などを随時開催。4月以降「アフターコロナ」の事業戦略を見直す企業からの問い合わせが増加しているという。

 

 

わおん/にゃおんホームページはこちら : https://waonpet.com/business/

 

 

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