ICTプロジェクト発足 新人でも使いこなせる仕組みを 

2023年5月3日

 

 

社会福祉法人信愛報恩会(東京都清瀬市)は2019年よりICT化を推進する『ICTプロジェクト』に力を入れており、年度ごとに目標を定めてICT化を進めている。エコナビスタ(同千代田区)が開発したSaaS型高齢者施設見守りサービス「ライフリズムナビ+Dr.:以下ライフリズムナビ」を導入。経営管理部の北川美歩部長に話を聞いた。

 

社会福祉法人信愛報恩会
経営管理部 北川美歩部長

 

 

――ライフリズムナビの導入状況は
北川 19年にライフリズムナビの導入を開始。グループホーム1棟全床(18床)、特別擁護老人ホーム「信愛のぞみの郷」全62床で導入しており、特養「信愛の園」においては当初3階フロア62室のみの導入から、23年6月に204床全床導入予定。信愛の園ではこれを機にICTを活用したケアの統一化を図りたい。

 

 

――ICTプロジェクトについて
北川 介護人材不足、高齢者の増加に対応するため、法人としてICT化に力を入れていくことになった。ICTをうまく活用しながら職員は人にしかできないことに専念できる職場環境の構築が目的だ。職員が継続して取り組めるように、年度ごとにPhase化して目標を明確にしている。22年10月からPhase4がスタート。毎月1回報告会を行っており、今年度ライフリズムナビをテーマとしたものは隔月で開催。メーカーにも毎回参加してもらうことで、新しい情報の収集、製品開発に役立ててもらいたいと考えている。報告会や年1回の成果発表、法人内の他施設の事例などを通じて、自分たちのケアを振り返ることができている。

 

 

ライフリズムナビ®+Dr.公式サイトはこちら
https://info.liferhythmnavi.com/

 

 

 

――具体的なライフリズムナビの活用は
北川 Phase1において、夜勤者の業務負担が改善し、休憩が時間通りに取れるようになってきた。また、時間ごとの定期巡視はモニターでの確認に移行し、アラートやモニターの情報を確認して訪室することになり、利用者の睡眠を妨げることがなくなった。現Phaseでの課題としては、利用者の状態がグラフで見える化されているが、介護職員がデータを読み取るためには知識と経験が必要であり、ケアにどのようにつなげてよいかわからないことも多い。利用者ごとにアラートを設定するときもシステムを熟知していないと適切なタイミングで拾えないこともあり難しい。設定方法、データを読む能力が均等ではないため、データを読み取る能力をシステムでサポートする仕組みをメーカーと相談しながら検討している。現在、1事例ずつ個人に適した設定ができるように議論しており、今後標準化に向けて進めている。

 

 


 

 

 

報酬改定を意識し目標設定

 

―― 年度毎ごとにPhase化している
北川 報酬改定の動向を取り入れながらプロジェクトの目標を立てている。LIFEに関しては、Phase2で半年前から準備を進めたことで21年4月から全拠点で科学的介護推進体制加算が取得できたことは大きな成果になっている。LIFE加算は単価は小さい加算だが、法人全体として3年間で1000万円ほどの加算になった。現在、夜間の人員配置基準の緩和の要件も検討している。介護人材が採りにくくなる時代を前に今から体制の準備をし、法人全体で統一した目標を持ちながら進めていく。

 

 

――ナラティブケアとエビデンスベースドケアの両立とは
北川 利用者の睡眠状態の見える化により、職員は遠く離れていても状態を把握できるようになった。グラフ上では睡眠時間が少ないと表示されるが、利用者が日中活動的に生活できており、短時間の睡眠でも苦痛を感じていなければ介入する必要がないと考える。科学的介護と聞くと「エビデンス」重視になりがちであるが、当法人では「ナラティブ」と「エビデンス」のバランスが重要だと考えている。

 

 

――新人でも使いこなせるようになるべき
北川 最終的には新人も上手くライフリズムナビを活用できるようにしていきたいと考えており、状況に応じたアセスメントの手順を構築している。手順が標準化してくると、生理学的な知識やライフリズムナビのアルゴリズムを理解することなく簡単に使いこなせるようになるため、事例を蓄積している。リアルタイムの情報を把握することは大きな役割だが、先回りのケアを提案することも重要だ。排泄、転倒・転落、ADL低下の原因・根拠の把握に取り組んでおり、看取りのフローも構築したい。例えば、夜間の排泄回数が多い利用者において科学的根拠をもってアセスメントするためには、生活全体の把握を行った上で夜間の状態を確認する必要がある。そのプロセスの中でライフリズムナビのデータを確認することをフローに入れている。夜間頻尿に至る状態を確認してからアセスメントすることで、適切な介入に向けた事例を蓄積している。フローチャートを表にして現場に掲示し、実践のフィードバックをもらっている。

 

 

 

ライフリズムナビ®+Dr.公式サイトはこちら
https://info.liferhythmnavi.com/

 

 

 

――病院・在宅でも検証している
北川 3月には、当法人が運営する病院や看護小規模多機能型居宅介護でもライフリズムナビを試験導入。まだ1ヵ月なので成果が出るのを待っている段階だ。在宅ケアでは多職種が介入するためケアが分断されがちだが、その日ごとに利用者の状態を予測する必要がある。睡眠は1日の約3分の1を占めるものなので、睡眠の質は利用者の昼間の活動に大きく影響する。夜間の状態を見える化することは、睡眠状態や昼間の活動量を把握することに貢献している。

 

 

――今後の活用について
北川 次期報酬改定まで1年を切っている。DX化が推進される中で、いち早く情報をキャッチして対応していく。医療・介護のAPI連携による情報共有に向けて、データベースの在り方も見直したい。また、コロナ禍のクラスター対策でライフリズムナビの活用が役立ったという実績もある。センサーの使い方を明確にし、BCP策定時のクラスター対策として、さらなる導入・活用も考慮したい。

 

 

【ライフリズムナビ®+Dr.問い合わせフォーム】
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