夜間業務の負担 大幅減 ナースコール「ココヘルパ」に新モデル
New Normal 生産性向上
介護専用無線ナースコールのパイオニア的存在であるジーコム(東京都大田区)は11月2日、新モデルの「ココヘルパVP」を発売した。業界初となる「映像型活動検知アルゴリズム」を搭載し、入居者のベッド上での活動状況を判定。無線ナースコールで入居者の活動量を把握することができるようになり、低コストで夜間業務の負担軽減が可能となった。

杉原弘祥社長
業界初の新機能搭載 入居者の活動量把握
――新モデル「ココヘルパVP」に搭載された業界初の機能とは。
杉原 映像と会話で入居者の状態把握を容易にした「ココヘルパVcam」の映像機能を進化させ、「映像型活動検知アルゴリズム」を搭載。入居者のベッド上での活動状況を4段階で判定し、専用タブレット「リモート型夜間巡回見守りソフト」にて、その活動量を一覧表示します。リモートで実際の映像を目視確認し、必要な時だけ行動することができるのが特徴で、夜間の定期巡回やかけつけ対応時の優先度を把握し、スタッフが少なくなる夜間業務の負担軽減に役立てることができます。
導入前
導入後(リモート巡回)
――これまでナースコールと見守りシステムを導入していた事業者にとっては、コストの低減にもつながるのでは。
杉原 あくまでも活動レベルを可視化できるというものであり、バイタルデータを収集できるわけではありません。活動レベルの低い入居者というよりは、徘徊や頻回に呼出のある入居者などの状態把握に役立つと考えています。コロナ禍における介護現場では、感染リスクの低減とともに、少人数スタッフによる運営手法の構築もテーマとなっています。そのような新常態に対応できるよう、「ココヘルパVP」の開発を進めてきました。

タブレット端末で居室の様子をリモートで確認
――ヒヤリ・ハット対策に有用な「インシデント機能」を強化し、常時録画・録音機能を保有させた。
杉原 従来型では、呼出ボタンや各種センサーの発報前後の映像を確認できるようにしていましたが、導入事業者からの要望を加味し、体調変化の激しい利用者や経過観測を必要とする利用者などに対して「常時約5日分の録画・録音機能」も稼働できるようにしました。転倒事故などの原因を「推測」ではなく「映像」で確認し、再発防止策を講じることが可能なほか、不測の事態が起きた際にも、「映像」を見ながら家族などへ説明することができます。もちろん、利用者のプライバシーに配慮できるよう、居室ごとにモザイク・映像なしの設定ができます。

VP専用メディアユニット設置イメージ
――今後については。
杉原 ココヘルパの最大の特徴は「無線」と「スマートフォン」であり、その拡張性の高さが魅力となっています。技術革新のサイクルが早まる中、ケア記録や睡眠モニタリングとの連携強化だけでなく、AIなどのIT技術を駆使し、入居者の生活習慣をデータ化し把握・分析。入居者からの呼出前に、スタッフがそのニーズを汲み取り対応できる、そんな「トレンド型」無線ナースコールの開発を目指していきます。

活動レベル可視化イメージ
ジーコム株式会社 TEL 0120-53-2211
ホームページ https://www.gcomm.co.jp/