コロナ禍でも、高齢者が自発的に毎日続けられるパワープレートの省スペース&時短リハビリとは?
――パワープレート導入の経緯は。
今西 パワープレートは1台で様々な動きに対応でき、筋力・可動域の向上や、血液循環の向上なども期待できるため、リハビリスタッフの負担軽減につながると思い導入した。当施設では、約100名にリハビリを提供しており、そのうちの約8割にパワープレートとセットの個別リハを提供している。
――利用方法は。
林 当施設では車椅子の利用者が多く、パワープレートの上に乗ることができない人もいる。その場合は車椅子に乗ったままパワープレートに足を乗せて利用している。また、パワープレートに付属品のブロックを置いて高さを調整することで、首や肩といった局所に効率的に振動刺激を与えることができる。脳梗塞の後遺症をもつ利用者の、筋肉の緊張やむくみを軽減するための、リハビリなどにも活用している。
――導入の効果は。
林 むくみがちな利用者でも、パワープレート上でストレッチやエクササイズをすることで、効果を実感している。また、筋肉が緊張している利用者は、歩行練習の前に使用すると足の運びが良好になる。個別リハと合わせると効果的なので、リハの合間に5~10分程度使用している。また、認知機能が低下した利用者にリハビリを提供することが困難なケースもあるが、パワープレートを利用することでリラクゼーション効果を得てその後のケアがスムーズになることも多い。
――利用者の声は。
今西 今まではリハビリや運動が辛いため嫌がる利用者もいたが、効果がすぐに感じられるため、リハビリに対する意欲が向上した。また、パワープレートの独自の振動をマッサージのように心地良いと感じるため、パワープレートの利用を目的にリハビリを希望する利用者もいる。
――スタッフの業務負担軽減について。
今西 今までは、リハビリをするために1人ずつリハビリ室に連れてきてリハビリを提供していたが、パワープレートを利用する人も同時に連れてきて行えるため利用者の送迎時間が短縮した。マシンによる振動と動きを組み合わせることで、徒手と比べるとより効率的なリハビリを提供できるようになり、ケアの質向上と負担軽減を実現した。スタッフの健康管理にも利用できないかと検討している。
――今後について。
今西 現在、パワープレートの利用者は、車椅子の利用者や歩行障害のある人が多い。自立度が高い利用者に向けたパワープレートを活用したメソッドを導入して、健康寿命延伸に貢献したいと考えている。今後は、改善した成果をデータとして可視化することで、利用者・家族の満足度向上や、データに基づいたケアを提供できるよう取り組んでいきたい。