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高機能パッドで睡眠時間増 HITOWAケア、ユニ・チャームと検証

2023年6月22日 提供:高齢者住宅新聞

HITOWAケアサービス(東京都港区)は5月27日、ユニ・チャーム(同)と協業で検証した、介護サービスの生産性向上とケアの質担保の両立を目指した排泄ケアへの取り組みを日本老年泌尿器学会で発表した。

 

この検証は、夜間のおむつ交換頻度の見直しにより、入居者の高い睡眠環境の提供と、介護者の負担軽減による業務効率化の両立を目的とする。

検証方法は、ユニ・チャーム社が開発した高機能尿取りパッドを使用し、入居者の就寝から起床までの紙おむつ交換頻度を見直した上で、夜間の睡眠・日中の活動の変化を介入前後、各1週間の期間で記録するというもの。一部の被験者においては、見守りシステム・ライフレンズを利用して、睡眠時の覚醒の変化を測定した。

なお被験者には、トイレ利用が困難で、排泄はすべておむつ内にしている119名を選定した。

 

 

おむつ交換時間1日20分/人減

 

世界保健機構(WHO)らが作成した睡眠評価法であるアテネ不眠尺度では、日中の眠気や気分が一定レベルで改善されたことが分かったという。また、バイタリティ・インデックスにおいては、リハビリ活動や排泄など生活に関する取り組みへの意欲が少し改善していることも分かった(図表参照)。

 

 

さらに、ライフレンズを利用した検証状況の測定では、睡眠途中での覚醒の減少や、平均睡眠時間の増加も確認された。

 

この取り組みにより、1名あたりのおむつ交換時間が1日あたり20分程度削減され、介護する側の負担も軽減する結果となった。

 

今回の検証結果について同社は「高機能尿取りパッドを活用したおむつ交換の削減は入居者の覚醒を抑制し、睡眠時間の増加が示唆された」とする。見守りシステムを活用した不要な訪室の軽減と合わせて、より良質な睡眠環境を提供していく考えだ。