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介護士1000人が協力 ベイシア×カイゴメディアで「パジャマ」開発

2023年7月02日 提供:高齢者住宅新聞

ショッピングセンターを1都14県で136店舗(2月現在)運営するベイシア(群馬県前橋市)。介護士の意見を取り入れて開発したパジャマを4月に発売した。介護系動画・SNSメディア運営で約20万人のフォロワーを有するカイゴメディア(東京都渋谷区)とのコラボ商品だ。

 

両者によるコラボ商品は「肌着」「靴下」に続く第3段となる。今回発売したのは介護シーンを想定して開発した「ストレッチプラスパジャマ」。

 

介護現場で必要とされる機能などについて、インターネットを使ってカイゴメディアのフォロワー介護職1000人にアンケート調査を実施。そこから個別に質問を重ねていき、さらに介護職を招いた座談会を3度開催。パジャマに関するアイデア出しの様子、試作品レビュー、完成品紹介までの過程はYouTubeでも公開している。

 

商品は介護現場を想定して細部に拘っている。拘縮などがあっても着脱がしやすいよう、マチパーツを脇下に取り付けることで可動域を拡大。

 

脇下のマチが可動域を広げる

 

 

着脱のしやすさだけを考えてマジックテープで前面を開くパジャマも存在するが、「洗っていくうちに粘着性が弱くなる」「糸がほつれる」といった声もあり、ストレッチプラスパジャマではボタンを採用。ボタンは掴みやすさ、かけやすさを考慮して通常より大きなサイズで、滑りにくいよう凹凸も付けた。

 

 

 

 

ポケットは胸部分ではかがんだときに物を落とすこともあるため、上着の裾上に2ヵ所配置。パンツのウエストゴム2本は取り換え可能で長期間使用できる。上下ともにネームタグが付くなど、施設内利用も想定されている。

 

 

ベイシアが介護向け商品開発を始める際、トップからは「プロの声を集めること」を指示された。新型コロナ禍で介護事業者との接点がなかなかできなかったが、2020年9月頃にカイゴメディアと出会ったのだという。

 

 

「共同開発により、『こういう機能がいいだろう』といった思い込みではなく、介護に知見のある多くの人たちの声を商品開発に生かすことができた」(ベイシア開発担当者)。

 

 

男性・女性用ともに無地・柄物を用意した。価格は税別3580円とメーカー品よりも高めだが、母の日にはメーカー品に比べ2倍売れた。次回は靴の開発を検討中だ。