SEWINGBOX(ソーイングボックス・群馬県館林市)

2015年4月20日

SEWINGBOX(ソーイングボックス・群馬県館林市)では、中間コストをカットし、既製品と同じような価格帯でオーダーメイドユニフォームを製作。作業着としてのユニフォームではなく組織全体に影響を与えるユニフォームを提案している。戦略的なユニフォーム作成プランについて、菅沼蔵人専務に話を聞いた。

 

 

――事業内容は

縫製工場として70年の歴史があります。グループで、縫製、企画、輸出入を行っており、OEMでパリコレブランドなどを扱っています。

 

20年前頃、縫製工場のほとんどは海外に拠点を移し、国内で生産するところは少なくなりました。当社では、国内にありながら、外国人を雇うことで工場の「海外化」を図り、従業員の67割が外国籍、今まで延べ7ヵ国の人が勤務しています。日本の縫製技術を学んでもらうことで、高い水準を保っており、ブランドとの契約を維持しています。現在、工場は群馬とベトナム。営業所は群馬、名古屋、大阪の3ヵ所です。アパレルだけではなく、医療・介護向けオーダーメイドユニフォーム製作にも注力しています。

 

 

――介護現場用ユニフォームに注力したきっかけは

「衣料で医療を変える」をコンセプトに、病院向けオーダーメイドユニフォーム販売に注力していました。医療現場のユニフォームは数社の独占市場で現場は皆同じようなものを着用しています。

 

しかし、例えば、慢性期病棟と精神科病棟では、仕事内容が違うため、ユニフォームに求められる機能も違うはず。同じものを着ていることに疑問をもち、マーケティング分析と現場のニーズを一つひとつ拾い、ノウハウとして蓄積していきました。これは、医療現場だけの問題ではなく、介護にも当てはまる問題だと思い、2012年より介護向けオーダーメイドユニフォームに本格参入しました。

 

口コミで顧客を増やしていき、今では年間3万人のユニフォームを製作しています。医療、介護だけではなく、整骨院、マッサージ、保育、一般企業まで幅広く商品を扱っています。

 

 

――ユニフォームの特徴は

商社などが中間に入らず、自分たちで作っているので、オーダーメイドでありながら既製品と同価格帯の料金を実現しています。これは、グループと連携し仕入れや製造・加工、管理など、これまで培ったアパレル業界でのネットワークやノウハウと直接販売で価格を抑えることに成功しました。

 

また、現場のニーズを徹底的に分析し、作業着としてのユニフォームではなく、組織全体に影響を与えるユニフォームを製作します。何のためにユニフォームを導入するのか、例えば、ほかとは違ったオリジナルユニフォームで差別化し、ブランド力を向上したい、素材や機能性に不満があるので着心地の改善をしたい、コスト削減など要望は様々です。

 

カタログで既製品を選ぶ場合、見て気に入るのがあるのか、無いのかを判断するだけで終わってしまいます。当社では、機能やコストなどユニフォームを変更することで組織力向上や業務効率改善を目指す、戦略的な作成プランを提案します。

 

 

――具体的には

例えば、業務効率を上げたいと考えた場合、どのような業務が多いのか、現場の作業を分析し、最適なものを提案します。それは、着たいデザインと違うかもしれません。また、ユニフォームでは珍しいですが、一般アパレルでは普通に使用される素材を導入する場合もあります。採用強化や離職率軽減などを目的に導入する場合、その目的を達成するためのプロジェクトを設計し、ユニフォームを使ってできることを提案します。

 

 

――今後のビジョンについて

全てオリジナル商品ですが、導入事例が増えれば、施設、ニーズ、職種別などがパターン化されます。この事例を増やし、パターン化の精度を上げていきたいと思います。

 

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