NTTドコモが徘徊老人を早期発見「かんたん位置情報サービス」

2017年6月7日

NTTドコモ(東京都港区)は、GPS端末の位置情報を活用し、徘徊高齢者の早期発見や、位置情報把握などによる安否確認をする「かんたん位置情報サービス」の提案に注力している。

 

かんたん位置情報サービスは、NTTドコモ回線を使用し、位置情報システム・端末・地図などを1パッケージで提供するというもの。2014年に法人向けクラウドサービスとして提供が開始されており、人やモノの位置情報をスマートフォンなどで簡単に把握できるのが特徴だ。

 

端末は「小型タイプ」、「防犯ブザータイプ」、「バッテリーレスタイプ」の3タイプ。小型タイプは外形寸法が38.5㎜×45.5㎜×11.85㎜(厚さ)、重さ約30gで高齢者の持ち運びに便利な超小型設計。連続待ち受け時間は約400時間となっている。

 

具体的には、GPS端末の現在位置を検索する「第三者検索機能」によりリアルタイムで端末保有者の居場所を検索できるため、家族内で捜索が可能。また、設定した曜日、時刻や時間間隔で位置をメールで通知する機能や、指定したエリアからの出入通知のほか、利用者画面より端末の音を鳴らすこともでき、「音」による早期発見や本人の特定が可能。高齢者の装着例としては、孫が手作りした巾着に入れてお守りのように持ち運ぶ例や、靴の中敷きの下に端末を埋め込む例があるという。

 

「ドコモが位置情報システムを構築しクラウド型サービスとして提供するため、法人自前のシステムを構築する必要がなく、導入期間の短縮及び初期・運用費用の抑制が可能です。検索する側の端末やキャリアを選ばないのも特徴です。法人がサービスを利用することで自社のサービスとして展開できるだけでなく、既存のサービスとの連携など業界の特性に応じ柔軟な対応ができます」(門井喜仁課長)

 

自治体での実証実験や導入も進んでいる。高崎市では、徘徊の危険性がある高齢者の家族及び介護者に、GPS機器を無料で貸出し、機器を身につけた高齢者が所在不明になった際、見守りセンターが365日24時間の対応で徘徊高齢者の位置情報を介護者の携帯電話などに送信。介護者が捜索に行けない場合は、位置情報や顔写真を手がかりに、見守りセンターの職員や警察が保護を行うという取り組みを2015年より運用開始している。

 

「現在、約70の自治体で導入が進んでいます。位置情報サービスは、高齢者や子供の見守り、建機や車両の位置情報管理、バイクや自転車の盗難防止など幅広い分野・業界での利用が見込まれます。今後も提携企業、導入自治体の増加を目指します」

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