中国の高齢者マーケット 自立支援介護の整備不十分

2020年12月6日

長寿高齢社会における課題

 

長寿高齢社会の中国では自立支援介護の促進が課題となっています。 2019年上海の戸籍を持っている人口は1450万4300人、60歳以上の上海戸籍人口は518万1200人(前年比14万8400人増)で、高齢化率は35%超(前年比0.8%増)となりました。

 

 

 

上海高齢化率 国内で第4位

 

また、常住人口でみると上海市2428万1400人のうち、WHOや国連が定義付ける「65歳以上」の高齢者の割合は361万6600人で、高齢化率は14.89%です。上海市の65歳以上の割合は遼寧省(16.20%)、山東省(15.7%)、重慶市(14.96%)の次に高くなっています。四川省は前年比14%超と高齢化が進んでおり、少なくとも11以上の省市で深刻な高齢社会を迎えています。

 

上海の戸籍を持つ人の平均寿命は83.66歳、そのうち男性が81.27歳、女性が86.14歳でした。高齢者の健康を脅かす三大疾患、循環器系疾患・腫瘍・呼吸器系疾患は、それぞれ高齢者の死因の43.6%、29.2%、8.2%を占めています。環境汚染問題などが指摘されていますが、意外と長寿だということがわかります。

 

 

平均寿命は中国のみならず世界的に伸びていますが、QOLの向上に欠かせない自立支援介護が高齢者になかなか浸透していません。その背景には、自立支援介護の理念が先走り、政策や規定が十分に整備されていないことがあります。

 

現地の介護職員によると、中国では個人のADLの維持・向上に向けたアセスメント・評価・ケアプラン作成を担える人がいないため、健康な時から行う介護予防しか対策がないのが現状だと言います。

 

 

明るく有意義に生きていける長寿高齢社会を目指すためには、政府主導による自立支援介護の推進が必要でしょう。

 

 

(出所:(耳に只)友集、上海総合力老服〓平台、上海統計局中商産業研究院整理、21世紀网)

 

 

 

 

稲田義人氏 ゲストハウス総経理

ゲストハウス総経理。中国事業に携わって7年、介護職員養成学校の立ち上げや日本式介護研修の実施、また、日系介護企業を集めての上海シニア産業フェアの主催等、上海シニア事業全てを総指揮。

 

 

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