ツクイ 慶大発ベンチャーと提携 介護DX 促進へ

2021年10月11日

 

 

 

ツクイホールディングス(横浜市/以下・ツクイHD)は8月24日、介護部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進に向け、慶大発スタートアップのINTEP(東京都品川区)と提携したと発表した。人工知能(AI)が運動機能などを解析するシステムの実用化に向け、両社が協働。ツクイHDは、デジタル技術を活用した未来型介護の実現に取り組む。

 

 

INTEPは、医療用システム・医療機器などの開発・製造・販売を行う慶應義塾大学発のベンチャーだ。同社が開発する「FG – 001」は、タブレット端末で歩行状態を動画撮影し、クラウド上でAIが解析するシステム。特別な機器を装着せずに、歩行の姿勢など、運動に関する情報や認知機能の検査結果を集約できる。

 

これをツクイHDの子会社であるツクイ(横浜市/以下・ツクイ)が全国展開するデイサービス事業所でテスト導入。介護業務の標準化・高度化・効率化に寄与するか、現場での有効性を検証し、運用することで、システムのさらなる精度向上を図っていく。

 

 

INTEP FG-001による歩行解析イメージ

 

 

 

ツクイのデイサービスでは、従前から利用者の運動機能や認知機能の検査を定期的に実施してきた。その測定結果を紙面に手書きし、記録システムへ入力し直す手間や、測定結果をプログラムの立案につなげる知識や経験が必要なこと、各スタッフへの実施方法の研修コストなどが課題になっていた。また、利用者の状態変化の確認には、動画による記録が有用であると認識していたものの、必要な撮影や編集、データ管理などがハードルとなって、導入には至っていなかった。

 

INTEPは、こうした課題解決に向け、タブレットに計測結果を入力し、データをクラウド上に簡単に蓄積できるサポートシステムを開発した。さらに、外部のAI開発会社の知見も活用し、特別な器具や計測点を認識するためのマーカーなどの装着なしに、動画撮影のみでAIが歩行速度や歩幅などを自動解析する機能を搭載。クラウド上のデータは、「過去の測定結果との比較」や「トレーニングメニューの立案」に活用できるという。

 

 

 

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