異業種の知見 接遇や営業に 遠州鉄道(浜松市)

2022年1月15日

遠州鉄道(浜松市)は静岡県西部・愛知県豊橋市で、デイサービスを中心に介護事業を23拠点で運営。自宅での生活を想定した機能訓練や、利用者の希望に柔軟に対応するサービスで、順調に売り上げを伸ばす。2020年の介護事業の売り上げは357800万円と、5年前との比較で倍増となっている。

 

 

 

デイに機能訓練センター

 

 

現在、デイサービス事業では14拠点を運営。定員は30名から63名まで様々で、稼働率の平均は約90%に上る。 コンセプトは「選べるデイサービス」。1日のうち自由に過ごせる時間を数時間設け、利用者がその日の始めにその時間帯の過ごし方を決定する。レクリエーションの参加不参加も自由。活動も塗り絵や計算ドリル、麻雀など豊富に用意する。機能訓練のメニューや食事も数種類から選ぶことができる。

 

すべての拠点で個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ、科学的介護推進加算を取得。一部の拠点では口腔機能向上加算や栄養アセスメント加算、入浴介助加算(Ⅱ)も算定している。「24年度の報酬改定を見据え、様々な加算についてモデル拠点を作り、算定を開始した」と介護事業推進課・鈴木洋志課長。

 

 

今年4月には、定員63名のデイサービス「ラクラス上島レジデンス」内に広さ93平米の機能訓練センターを開設。理学療法士や作業療法士などの専門職が5名在籍する。階段やキッチンなど自宅を想定した設備を配し、「生活機能向上」のための機能訓練が行える場所とした。

 

 

掃除を想定した機能訓練

 

 

 

「ラクラス上島の利用者はほとんど同センターでの機能訓練を希望しており、反響は非常に大きい」と鈴木課長。

 

 

介護事業のほかにも、鉄道やバスなどの旅客業、百貨店やスーパーなど小売業、保険代理業など多角的に事業を展開する同社。百貨店業の接客接遇ノウハウや営業部門のノウハウなど社内の異業種経験者の知見が介護事業に活きる。

 

地域のインフラ事業を担い、介護事業と同一エリアで多数の小売店も展開する同社のブランド力は、デイサービスを展開する上で強みとなっているという。

 

 

 

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