eスポーツで施設レク 認知機能低下予防に寄与

2022年1月26日

日本アクティビティ協会(横浜市)は、高齢者施設のレクリエーションを担う人材の教育や、通いの場の創造、高齢者向けの商品開発などを手掛ける。現在、TVゲームを活用したレクを提供する「健康ゲーム指導士」の育成を進めている。

 

 

2021年12月3日、ライフケアデザイン(川崎市)が運営する介護付有料老人ホーム「ソナーレ・アテリア久我山」(東京都三鷹市)にて「太鼓の達人」と「グランツーリスモ」を使用したレクが実施された。

 

前者は、画面の表示に合わせて太鼓を模したコントローラーをバチで叩くリズムゲーム。後者はリアルなカーレースを体験するもの。自動車のハンドル、アクセル、ブレーキを模したコントローラーを使用する本格派だ。

 

 

当日は施設の大スクリーンに映像を投影しレクを実施。太鼓の達人では、表示されるマークに合わせて、プレイヤーはリズムよくバチを振るう。観戦している人もリズムに合わせて太ももを叩くなど、プレイヤーと一体となって楽しんだ。

 

ゲームを楽しむ入居者

 

 

 

そしてグランツーリスモに挑戦する場面では、生まれて初めてハンドルを握るという女性も。無事レースを終えると、「本当の車も運転してみたくなった」と、上機嫌で感想を述べた。

 

ライフケアデザイン海老原信吾事業部シニアマネジャーは、男女問わずレクで盛り上がる姿を見て、「今後、ほかのソナーレシリーズの施設でも健康ゲーム指導士によるレクの実施を検討したいと思います」と語った。

 

 

健康ゲーム指導士は、日本アクティビティ協会が認定する民間資格で、ゲームを通じた健康寿命の延伸やコミュニティ形成促進を図るもの。養成講座を全国で実施、受講者は1000名を超えている。

 

同協会の川﨑陽一理事長は、「例えば太鼓の達人では、これから数秒先に取るべき行動を意識する必要があります。それが、転倒の予測、防止訓練になっています」と話す。

 

 

実際に2019年、同協会が全10回実施した検証実験では、太鼓の達人をプレイした女性の視線の動きを計測したところ、「今より先のマーク」へと視線を向ける割合が増加し、「予想」する能力の向上が確認されたという。

 

今後、協会では全国100施設が参加するシニアeスポーツ・健康ゲーム体験&大会の実施を予定している。

 

 

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