10物件114億円で取得 ヘルスケア&メディカル投資法人
ヘルスケア特化型リート
ヘルスケアアセットマネジメント(HAM/東京都千代田区)運用の上場ヘルスケアリートは、新たに高齢者施設不動産10物件を114億円で取得する。大手介護事業者のほか、地域の有力オペレーター運営の施設も含まれる。
HAMが運用するヘルスケアリート「ヘルスケア&メディカル投資法人」が今回取得する物件は有料老人ホーム9物件、サービス付き高齢者向け住宅1物件。エリアは北海道札幌市が4、埼玉県川口市が4、大阪府・兵庫県が各1物件。

取得予定の10物件
オペレーターはSOMPOケアやベネッセスタイルケアといった全国展開の大手介護事業者のほか、北海道のノアコンツェル、東京都足立区を拠点に置く医療法人苑田会グループの明昭。また、牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーグループのシニアライフサポート。ノアコンツェルと明昭、シニアライフサポートの運営物件を同リートに組み込むのは初めてとなる。

SOMPOケア運営のホーム ラヴィーレ神戸伊川谷
「地域に根差して介護・医療を提供する優れたオペレーターは少なくない」(HAM・吉岡靖二社長)ことから、今後も地場オペレーターの運営施設の組み入れも積極的に検討していく考えだ。

SOMPOケア運営のホーム そんぽの家狭山
同リートの21年7月公表のポートフォリオは37物件・670億円(取得価格)となっている。今回取得予定の10物件、114億円を加え、47物件、784億円となる。 ヘルスケアリートが物件をリートに組み入れる際、その施設の運営法人の経営安定性、物件の立地・規模以外に、運営法人の介護・医療のオペレーション能力も評価のポイントとなる。特に上場リートの場合、IR活動も積極的に行っていることから、組み入れ施設にとっては投資家・一般向けの宣伝効果も期待できる。
また、近年は有料老人ホームやサ高住だけでなく、病院不動産の証券化事例もみられるようになってきた。病院業界においては財務健全性がより意識されるようになってきたといえるだろう。