住宅関連事業から多角化 機能訓練型デイ、全国120店舗 ヤマチユナイテッド

2022年7月2日

オペレーション整備で質を担保

 

建材輸入、住宅商品開発などを行う企業グループ・ヤマチユナイテッド(札幌市)のヤマチコーポレーション(同)は、機能訓練型デイサービス「きたえるーむ」を全国で120店舗展開している。同社の事業やサービスについてきたえるーむFC本部・須藤秀仁本部長に聞いた。

 

きたえるーむFC本部 須藤秀仁本部長

 

――介護事業参入の経緯、現在の稼働状況は。

 

須藤 当社は多角経営を基本方針としており、今後勢いを増す分野と見込み2010年に介護事業に参入した。市内で機能訓練型デイサービスを展開していた事業者の協力の下、サービスモデルを構築。直営店を中心に運営を始め、建材や住宅部門のクライアント企業の多角化支援として全国規模でFC展開を進めた。 現在、利用者数は昨年の同時期と比較し約10〜20%増加傾向にある。

 

――サービス概要は。

 

須藤 柔道整復師が行う筋肉の硬化を改善し痛みを緩和する「TPR手技」と個別機能訓練をセットで行う。痛みを緩和しなければ、そもそも身体を十分に動かせない。TPR手技はサービスを構築する上でのポイントとなる。 さらに現在、18年の報酬改定を受け、約7割の店舗で口腔機能訓練を試行的に組み込みはじめている。

 

施術の様子

 

――アセスメントはどのように。

 

須藤 システム上に生活動作状況の入力フォームをつくり、運用している。オペレーションの上では、個別機能訓練のPDCAサイクルの効果を最大化するため、評価や記録業務を「ただの事務作業としない」という点は強く意識している。 聞き取りやモニタリング、評価、記録などの時間をあらかじめ指定しスケジュールに組み込み、曖昧な流れ作業にしない。スタッフ個人のスキルに依存しない体制を整備した上で、あくまでも「個別性」を重視している。

 

――ほかに、オペレーションで工夫しているところは。

 

須藤 従来はスタッフ毎に担当の利用者を個別でサポートする体制だったが、フロアを4分割しエリア毎にスタッフを配置する体制に変更。サーキットのように利用者が部屋を移動しプログラムをこなすオペレーションとした。利用者の動きが予測しやすくなり安全性が上がったほか、人員配置も効率化した。

 

――多数のFCを展開するなかで、質を担保する仕組みは。

 

須藤 直営、FC問わず全スタッフが受講する有料研修と無料検定を整備している。実技部門と知識部門に分け、部門ごとにライセンスを設定。毎月開講している。スタッフは所持するライセンスに対応した研修に応募して参加し、検定でレベルを測る。現場に出るために取得が必要な最低ラインのライセンスも設定している。

 

―― 今後の事業方針は。

 

須藤 既存の加盟店を中心に、直営、FCともに店舗数を増やしていきたい。現在、5店舗の開設準備が進んでいるところだ。 さらに、保険内サービスを横展開させるのではなく、保険外サービスを拡充していきたい。デイの店舗を活用し一般向けのリラクゼーションサロンを開設するなど、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の健康増進にスポットを当てる。

 

「きたえるーむ」の様子

 

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