水で洗い流さないシャンプー 入浴困難者向けに開発 tete
介護・福祉施設や病院、自宅へ訪問理美容サービスを提供するtete ( 大阪府吹田市)は、水で髪を洗い流す必要のないシャンプー「ワイピングシャンプー」を開発。約15分で手軽に洗うことができ、利用者や職員の洗髪の負担軽減につなげる。
同社は関西圏を中心に理美容室を4店舗展開するほか、介護・福祉施設約100件、病院約15件と契約し、月約2000名に訪問理美容を提供する。土屋篤COOは「施設や病院では1週間に2回程しか入浴・洗髪ができない実態や、寝たきりの人の髪を洗うことが困難なケースを見てきた。そこで、水を使用しなくても髪や頭皮を洗えるシャンプーのニーズを見出した」と話す。
ドラックストアなどで販売される一般的なドライシャンプーの主成分はエタノールであり、高齢者など皮膚の弱い人への使用は向いていないという。一方、同社が提携メーカーと協同開発するワイピングシャンプーは、エタノール不使用で、4種類のヒアルロン酸・植物性の界面活性剤などを配合。潤いを保ち、頭皮環境を整える。外部機関による安全証明としてVegan認証・HALAL認証を取得。泡立った状態で手に取れるため、髪や頭皮を洗いやすい点が特徴だ。

泡で出るため洗いやすい
使用方法は、頭部に塗布した泡を髪・頭皮になじむよう揉みこんだ後、蒸しタオルで拭き、最後に乾いたタオルで拭きとるのみで、短時間で完了する。
現在、大和大学などの協力を得て、使用者にアンケートをとりながら最適な泡や匂いの状態などを研究・開発中。今年中に商品完成を目指し、訪問理美容のメニューとして1000円で提供予定だ。
また、同社は昨年度から訪問介護にも着手。美容師・理容師が介護職員初任者研修の資格を取得し、ヘルパーとして訪問している。「訪問介護の際にもワイピングシャンプーを活用していきたい。身体介護における洗髪・清拭としてサービス提供可能か、自治体や厚生労働省とも今後擦り合わせていく」と土屋COOは話す。

水で流す必要がない