組織改善で健康経営 アプリと社長面談導入 リカバリータイムズ
リカバリータイムズ(横浜市)は2年程前から健康経営の推進に乗り出した。コミュニケーションアプリの導入や社長との面談など、社内でコミュニケーションがとりやすい環境を整え、スタッフの精神的な負担を軽減している。
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石田輝樹社長(左)と健康経営を担当する石井宏和氏(右)
法人は県内で、歩行特化リハビリデイサービス「リカバリータイムズ」4ヵ所を始め、生活リハ特化、脳卒中リハ特化、などの強みを持つデイを計6ヵ所運営している。
健康経営に乗り出したきっかけはコロナ禍により直接ミーティングする機会が減り、スタッフ同士のコミュニケーションの希薄化が懸念されたこと。「同時期、新店舗の開設を進めていたことからスタッフの人数も増加していました」と語るのは、法人内運営支援チームで健康経営の実践を担当する石井宏和氏。お互い会ったことのないスタッフが増えてきたことに加えて、新しいスタッフへの会社の理念・風土の共有も課題に挙がっていたという。
社内のコミュニケーションの課題については、社内情報共有ツールであるスタメン社のTUNAGアプリを導入。特に、ちょっとした親切を受けた際などに対して送るサンクスメッセージや、今日の印象的な出来事などを共有する機能が声を掛けやすい雰囲気の醸成に一役買ったという。このアプリでの「雑談」がスタッフ間の潤滑油となり、業務上の気になることなど質問もしやすい環境になった。
並行して現状課題分析のため、行政などが実施している健康経営のポイントをまとめたチェックシートを参考に、社内アンケートを実施。その結果、事業所ごとに法人への帰属意識や仲間意識にばらつきが生じていることが明らかとなった。
「例えば、法人への不満は高いが、事業所内の仲間との関係は良いと結果が出たケース。これは法人への不満によってコミュニケーションが活発になった結果だと推測できました」。
そこから、法人の理念やビジョンをしっかりと浸透させるという目標を設定した。それについては、各事業所の管理者層の研修を強化。これまで業務終了後に1時間程度を複数回といった形で行っていたが、1日型の研修に変更。現場の統率を担う管理者層に社長の思いを共有し、それをスタッフに伝えられることが研修の目標だ。
そして、仕事の悩みや自身のキャリアのことについての不安を抱えた人などには、数ヵ月に1回程度行う管理者とスタッフの面談において、キャリアコンサルタントの資格を持つ石田輝樹社長が直接ヒアリングを実践。現場スタッフが組織のトップと接する機会を増やすことによって、エンゲージメントを高めている。
これらの取り組みが精神的な負担軽減や離職防止にどの程度貢献しているかについては、現在検証を進めている途中。だが、スタッフの間で、健康経営への意識が高まっているとの実感が得られている。