「デイ ラスベガス」運営の日本シニアライフ・森薫社長に聞く

2023年2月12日

日本シニアライフ(東京都港区)は、「デイサービス ラスベガス」を始め、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、訪問介護などを展開している。森薫社長に、法人として力を入れている取り組みや今後の展開について話を聞いた。

 

 

森薫社長

 

 

 

――事業の概況について

 現在、関東、東海、中部圏と、滋賀県、徳島県、宮崎県に事業所を開設している。主要なブランドであるラスベガスは、直営8店舗、加盟店が14となっている。レクリエーションにゲームの要素を取り入れていることが特徴。機能訓練で獲得できる施設内通貨の導入や黒色ワンボックスの乗用車での送迎など、利用者が自主的に通いたいと思えるように工夫をしている。一般的にデイは女性利用者の比率が高いが、ラスベガスでは7割が男性だ。

 

コロナ禍の影響で稼働率の低下もあったが、現在は平均8割程度まで戻っている。高齢者は外出控えによりデイの利用を休止し、身体・認知機能の低下が懸念される状況であった。しかし、「コロナ禍でもラスベガスがあってよかった」と継続する人も多く、身体・認知機能の維持に貢献できたと思われる。

 

 

――デイにゲーム要素を取り入れた背景は

 現場に携わっていた18年以上前のこと。デイに「行きたくない」という利用者と、「行って欲しい」という家族のすれ違いに悩んでいた。日本エルダリーケアサービスの社長に就任した際、かつての経験から新しいデイを立ち上げたいと考えた。その参考として海外視察を計画。福祉先進国の北欧に行く案もあったが、高福祉・高負担のモデルは日本では難しいと考え、その真逆と思われるアメリカに向かった。そしてラスベガスを訪れた際に、高齢者が自己決定に基づいて自立した生活を送っている様子を見て、そのエッセンスを日本でも取り入れることにした。

 

 

――ケアの質向上に向けた取り組みについて

 近年社会問題となっている高齢者虐待、ハラスメントについて、それを防ぐには現場スタッフなどとのコミュニケーションが欠かせない。ことあるごとに私も現場を訪問している。12月からは、本部企画のレクのアシスタントとして、デイサービス ラスベガスを回る計画だ。そうした折にスタッフと2~3名くらいの少人数制でミーティングを行い、現場の課題を直接把握、必要に応じて本部からバックアップする。

 

スタッフの教育では、社内独自のコミュニケーションルールを共有することに加えて、様々な事例を基に細やかな心配りを欠かさないことを徹底。例えば、社員の役割を細かく分担し利用者が心地よく過ごせるように支援する。至極当然のことだが、質を高めるにはそうした小さなことの積み重ねが重要だ。

 

 

――今後の展開について

 現在、サ高住・住宅型有老は計9棟となっているが、既存事業所などがある地域を中心に、年2棟ペースで増やしていく。新設のほか、M&Aも行っている。8月にはサ高住を取得した。

 

 

 

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