50万件の電子カルテデータ統合「ユカリアデータレイク」を構築
2023年4月7日
病院経営・運営支援などを手掛けるユカリア(東京都千代田区)は2月1日、「医薬品マーケティングの〝新常識〞〜『電子カルテデータ』の活用最新事例」と題してイベントを開催。製薬企業の経営幹部およびマーケティング担当者などを中心に、約50名が来場した。
同社は1月31日、経営支援をしている22のパートナー病院で匿名加工処理された約50万件の電子カルテデータを統合した「ユカリアデータレイク」を構築したと発表。ハードルが高いとされていた電子カルテデータを「手軽にマーケティング目的で利用できること」を目指し、本イベントでは電子カルテデータの分析から、どのように打ち手につなげていくかを示した。
基調講演には、「製薬企業のマーケティング活動に期待すること」と題し奈良県立医科大学大学院臨床実証学講座教授の笠原正登氏が登壇。日々の業務の中で医師が情報を得るための時間を確保することは難しいことから、「情報を欲するあまりガイドライン至上主義になりがちな医師の現状がある」と語った。
笠原氏は「根拠に基づく医療(EBM)のガイドラインは、素人の医師にはよいが、臨床家の勘や経験(個々の経験の蓄積)を持つ医師においてはどうか」と問題を提起。医師が求める情報と、MRが提供する情報とのニーズが乖離している現状において「個別状況を包括した説明、特殊状況を説明しうる内容、現治療を継続するための一手」といった個人に最適化された情報提供を求めるうえで「ユカリアデータレイク」への期待を示した。
同社は今後、製薬会社マーケティング部門による市場把握やMRの情報提供の質向上を支援する分析データ提供、コンサルティングなど新規サービスの拡充を行っていく考えだ。
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