老健の経営、悪化 入所率80%台に下落 WAM
2023年4月10日
独立行政法人福祉医療機構(東京都港区/以下WAM)は2月1日、2021年度の介護老人保健施設の経営状況についてリサーチレポートをまとめた。20年度と21年度を経年比較すると、入所利用率は2.3ポイント低下し、88.0%に落ち込んだ。事業利益率は1.2ポイント低下し、2.9%。赤字施設の割合は33.8%まで拡大した。
黒字・赤字施設の比較では、赤字施設は入所・通所ともに利用率が低く、入所単価も低い。施設運営に必要な収益の確保が課題となる。事業収益の確保にあたり、特徴が見られるのは入所経路について。赤字施設の家庭からの入所が31.3%から38.9%と7.6ポイント上昇している。これに対し、医療機関からの入所は59.8%から54.2%と5.6ポイント低下している。
これについてWAMでは、「医療機関や家庭などとの関係機関との連携に取り組み、地道な新規入所者の確保と入所単価を引き上げることが経営安定化の鍵となる」とした。