車椅子の事故抑止へ NITE、報告書公表

2023年4月20日

 

 

独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下NITE/東京都渋谷区)は1月27日、「車椅子の事故防止対策報告書」を公表した。65歳以上の高齢者が被害に遭った車椅子の事故は2007~21年度までで228件。内、死亡事故は68件となっている。NITEは、報告書を参考に事故防止策の実施を呼び掛けている。

 

電動車椅子の事故については、ハンドル形電動車椅子がJISに制定された09年以降大幅に減少していた。しかし、16年から再度増加傾向にある(グラフ参照)。12年以降に運転免許の自主返納が進んだことが背景にあるとみられる。さらに、自動車の代替交通手段として電動車椅子の利用が進むと予測され、出荷台数も増加傾向にあるため、今後も事故が増加する可能性がある。

 

車椅子事故の発生件数推移(NITEが収集した事故情報による)  出所:独立行政法人製品評価技術基盤機構

 

 

 

典型的な事故のシナリオでは、「転倒」や「投げ出され」が多い。公益財団法人テクノエイド協会のヒヤリハット情報371件より、車椅子関係の事故144件を抽出したところ、当該の事故がそのうち129件を占めた。

 

NITEはハンドル形電動車椅子の踏切死亡事故、手動車椅子の転落死亡事故など8つの代表的な事故シナリオを作成。リスク分析およびリスク低減策や事故防止対策の検討を実施した。その結果によると、転倒や転落による頭部打撲や操作ミスによる重篤な事故が発生していることが分かった。

 

報告書ではそれを踏まえ▽頭部を守る保護具の装着▽安全講習会などの受講▽自動運転可能な電動車椅子の開発を提言。

 

また、車椅子を販売・レンタルする事業者に対しては、次の3点への協力を求めている。

①事故につながりやすい使い方を使用者や介助者に知ってもらうため、安全講習会への参加を呼びかける
②販売、レンタル時の保護帽またはヘッドガード装着の奨励。傾斜路、段差交通量の多い場所や悪路、踏切など使用者の生活環境に配慮した注意事項を伝達する
③点検・修理を行う際は車椅子安全整備士講習を受けた車椅子整備士のいる店舗を選ぶようにアドバイスする

 

 

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