10秒でバイタル4項目測定 「rPPG」の最新技術で メディカル・ケア・プランニング
メディカル・ケア・プランニング(東京都江戸川区)は、ビデオカメラで顔を10秒撮影するだけで各種バイタルを測定する機器のテスト導入を開始した。業務時間を削減し、入居者との対話時間を増やすなどサービス品質向上を目指す。
同社が埼玉県鶴ヶ島市で運営するサ高住「ハーモニーライフ若葉(特定施設)」で採用したのが、rPPG(Remote Photoplethysmography ) を使った非接触生体信号測定システム。ビデオカメラで顔を約10秒撮影するだけで体温、脈拍、血圧、酸素飽和度の4項目を測定する。ヘルスケアITのバイタルDX(同新宿区)が機器を用意した。
rPPGは、画像を通して血流による血管の振動の変化を解析することで、生体情報を分析・推定するという最新技術。日本国内ではまだ医療機器として登録されていないが、バイタルDXによればアメリカのFDA登録を申請中だという。
現在、入居者4名と施設長でテスト利用を1ヵ月程度続けている。
丸子英明施設長は「体温、脈拍、血圧を測定し、手書き、PC入力となれば最低5分はかかってしまう。これであれば10秒撮影するだけで記録まで完了する」とその効果を語る。
撮影はタブレット端末などで可能なため場所を選ばない。測定データは自動的に集計・リスト化され、システムに反映される。
表皮温度計などと同様、数値の正確性が問われるところだが、日常と明らかに違う異常値は容易に見つけられるという。
「健康管理においては利用価値が高いのではないか」(丸子施設長)
また、ソフトウェアの機能拡張により、今後は「ストレス指数」「眠気」測定などにも対応していく予定だという。
「スタッフの中には自分でも気付かないうちにストレスをためてしまうといったケースもある。可視化できれば働き方も改善できる」
当面はテスト利用を続け、慣れてきたところで利用人数を増やしていく予定だ。
メディカル・ケア・プランニングの別の施設では、スマートウォッチを活用したバイタル測定なども実施しており、各デバイスを積極的に試している。
事業本部の織戸和則課長は、「まずはスモールスタートでさまざまなデジタル機器を試し効果を図っていく。削減した時間でサービスの質を向上させ、CS・ES を高めていきたい」と話す。

ビデオカメラで顔を10秒撮影するだけ