ロボットで認知症ケア ぬいぐるみ型にAI搭載 ザ・ハーモニー

2023年5月17日

 

 

 

認知症特化型デイサービスなど6事業所を運営するザ・ハーモニー(福岡県飯塚市)は4月25日、認知症高齢者向けコミュニケーションロボット「だいちゃん」の販売を福岡・東京・大阪で開始した。ぬいぐるみ型でのAI活用モデルとして、介護事業所、高齢者世帯や医療機関におけるニーズに対応していく。

 

 

認知症ケアの知識と経験から生まれた「だいちゃん」が介護者をサポート

 

 

3都府県で販売開始 特許取得の対話機能

 

「だいちゃん」は、同社が1月31日に調達した総額2億900万円の資金を活用し販売されたもの。かねてより開発・導入・検証を行ってきた同製品を改良し、今回の販売に至った。同社が独自に開発したAI「認知症対話システム」(特許取得)を搭載したコミュニケーションロボットだ。 

 

機能については▽1人でも複数人でも対話ができる「おはなしモード」▽ことわざクイズ、都道府県クイズの2種類から選択可能な「クイズモード」▽だいちゃんが歌を披露する「うたモード」▽入浴や服薬など、実際の介護におけるシーンを想定した声掛けによりスムーズな介護をサポートする「セリフ機能」を搭載。

 

認知症介護の現場では、職員が利用者のトイレ介助などでレクリエーションの場を離れる際など、わずか5分程度の間でも不安になってしまう利用者がいる。そうした場面などでだいちゃんを活用することで、介護職員の負担軽減が可能だ。

 

具体的な特徴としては、会話相手の集中度を判断できるシステム(認知症対話システム)により、集中度が高い時は同じ話題を掘り下げ、低い時は話題を変えたり歌ったりして、認知症高齢者とのコミュニケーションを持続させることができる。会話における話すスピードや間隔も3段階で調整でき、雑音の多い介護現場でも聞き取れるよう大きな声での発話も可能。

 

 

月額レンタルでの販売で、基本プランの価格は初月無料、2~4ヵ月目まで月額3300円(税込)、5ヵ月目から5500円(税込)。アプリの更新や故障時の修理交換も月額費用に含まれる。

 

髙橋和也CEOは「『認知症高齢者をお世話するロボット』ではなく『認知症の人にかわいがってもらえるロボット』を作りました」と語る。「愛らしく」「頼もしく」「お手頃な」ロボットとしてニーズに合った普及を目指す。

 

 

髙橋和也CEO

 

 

コンセプトムービーとサービスサイトは、株主である面白法人カヤック(神奈川県鎌倉市)が制作。同社の持つ技術やクリエイティビティで協業した。

 

まずはプロダクトマーケットフィットを目標に掲げる。今後、短期では対話シナリオの拡充などのアップデートや効果検証を行っていく予定。

 

 

 

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