JPMCの「ふるさぽ」、総戸数6000超に マーケットイン志向で成長
東証プライム上場のJPMC(東京都千代田区)は賃貸住宅の経営代行としてのサブリース事業などを手掛けている。同社が住宅有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の建築から運営までをサポートする「ふるさぽ」シリーズは、2023年5月現在で総戸数6000戸を超えている。

武藤英明社長
三方よしの経営が要
――ふるさぽシリーズの特徴は
エリアマーケティング、企画・設計、運営介護事業者の選定、収益性の確保や周辺競合施設のマーケティングなど総合的なコンサルティング、見学会の開催や訪問営業など入居者募集をトータルでサポートする。サブリースで長期一括借上をするため、オーナーは空室の有無に関わらず一定の賃料を得られる。
JPMC内には建築資材を取り扱う部門もあり、大量仕入れによるスケールメリットと代理店を省くことによるコストカットで、物件の建設に必要な資材を比較的安価に揃えられることも強みだ。
――入居率は全国平均で約9割と高い水準にある。その理由は
従来の「プロダクトアウト」型でなく、周辺地域の家賃相場などを加味した上でその地のマーケットに合ったものを提供していく「マーケットイン」型を志向してきた結果である。その見極めはこれまで多くの賃貸物件を手掛けてきたノウハウが活かされている。
――今後の成長に向けた取り組みについて
日本の住宅事情を鑑みると、住宅の約4割が賃貸となっている。オーナーは人口が減少していく中で入居者の確保が困難になってくる。そこで、これまで高齢者向けの事業に興味がなかったオーナーにも新たな入居者層として高齢者を想定した物件の開発に興味を持ってほしいと考えている。
持続可能な経営のためには、戸数だけでなくオーナーや地域のためにいかに貢献できるか、といった視点も必要だ。オーナー、入居者、当社の「三方よし」の経営を続けていく。
少子高齢化は、労働力にも影響を及ぼす。ふるさぽシリーズの物件は、介護会社目線で設計された建築のため、効率的に介護が可能。完成見学会の開催やサイトへの掲載など、入居募集面もJPMCでサポートする。
労働力不足や、建築資材の高騰により建築にかかるコストは今後も上昇を続けると予想される。それを解決する特効薬はない。建築から運営まで様々な部分を見直しながら、その時代のべストを探していく。

ふるさぽシリーズ物件のイメージ