有老協と高住協が提言 元気高齢者の住替え先に

2023年5月24日

 

 

 

公益社団法人全国有料老人ホーム協会(東京都中央区)と一般社団法人高齢者住宅協会(同千代田区)は5月10日、「シニア・リビング」(元気高齢者が入居する有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅)に今後求められる機能について、これらの施設を展開する事業者に向けた提言を発表した。

 

 

家事支援ニーズ高く 外部サービス活用も

 

今回、シニア・リビングが構築していくべき機能として提言されたのは、
① 高齢者ニーズ・経済的条件に対応したハード
② 外部資源の活用による健康維持・介護予防の強化
③ 生きがいづくり・新たなコミュニティ形成の支援
④ 生活支援機能のさらなる強化
⑤ その他
――の5つ。今後整備するシニア・リビングの目指すべき方向性を示した。

 

 

この提言は、①2団体が2022年8月に実施した高齢消費者の住まいに関する意識調査結果「消費者調査結果」(有効回答数2126件)、及び②高齢者住宅財団が22年9月から10月にかけて実施した「入居者調査結果」(有効回答数1982件)の結果に基づく。

 

今や要介護状態での入居も多い有老やサ高住。2団体は、これらの住まいが元気なうちの住み替え先の選択肢となるようサービスの在り方を検討している。その一環で、団塊の世代の高齢者を対象とした調査・研究事業を実施してきた。

 

提言のうち、① の「高齢者ニーズ・経済的条件に対応したハード」としては、具体的には「建物について、団塊世代以降の高齢者が求める安全性の確保や生活者視点に対応した居室、設備が必要である」としている。

 

消費者調査結果では、団塊世代の高齢者は建物の堅牢性や、住居としての機能を重視する傾向があることが分かった。また、レストランや食堂の設置を求める回答は84.7%と高く、入居後の家事支援を求める意見が多い。

 

 

②の「外部資源の活用による健康維持・介護予防の強化」としては、「シニア・リビングの支援機能として、外部サービスを取り込むことで、入居者の健康増進や介護予防に資することが可能である」としている。

 

入居者調査結果において、住み替えを決めたきっかけは「日常生活になんとなく不安を感じた」との回答が約35%を占め、住み替えの目的では「将来の身体機能の衰えに備えたい」が63.2%と最多。介護予防への意識が強いことが分かったという。そこで、外部サービスを取り入れ少数の職員で関係調整を図る「コンシェルジュ機能」を重視することなどが提言されている。

 

 

 

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