2年間で職員約3.5倍 年600人採用の人材戦略 ドットライン

2023年9月19日

在宅サービスなど140拠点以上を展開し、千葉県で医療・介護・福祉事業所数NO.1(東京商工リサーチ調べ2022年9月時点)のドットライン(千葉市)。20年度には売上高15億円・職員約350人だったが、23年度は売上高75億円を見込み、職員は約1200人と急成長中だ。垣本祐作社長兼グループCEOに聞いた。

 

垣本祐作社長兼グループCEO

 

 

強みとペルソナ明確に 職員の声を知る「仕組み」

 

――M&Aを進めつつ、新規採用も積極的
垣本 22年度に約600人(パート・アルバイト含む)を採用。現在も月750件ほど求人応募がある。応募の多くはHPや求人広告から。
 

他社では「自社の強みがわからない」「どんな人を採用すべきか曖昧」という声もあるが、当社は▽他社と比較して自社の魅力を理解する▽採用したい人のペルソナを明確にする▽発信して打ち出すといった点にしっかりと時間をかけている。会社の歴史や価値観、目指す方向性などを明文化し、HPやオウンドメディア、外部メディア、SNS、求人媒体などあらゆる手段で発信。それらを見て一緒に働きたいと思える人とチームとなり目標を追いかけることで業績は伸びていく。

 

 

――人材紹介会社は利用するか
垣本 人材紹介会社経由の採用割合は5%以下。担当者とは長期的に付き合うことを前提に、会社の詳細を説明して関係構築することが重要。また、手数料を得るための〝成果主義〟の担当者ではなく、求職者と求人者のことを考えてマッチングしてくれる担当者を選ぶリテラシーが介護事業者には必要だ。

 

 

――採用過程でミスマッチを防ぐポイントは
垣本 耳ざわりの良いことだけを求職者に伝えていては、入社後にギャップが生まれてしまう。医療福祉の仕事における大変な部分も伝えることは重要であり、当社ではこの説明をする担当者とリクルーターを分けている。入社前に賃金、休日、社風なども細かく伝え、職場見学会で現場の職員と話してもらう機会も設ける。こういった過程にはきちんと時間と人的リソースを割いている。

 

 

――定着の取り組みは
垣本 現場職員の意見、事実情報が人事部や経営陣に届く仕組みを構築している。例えば、入社後は定期的に職員にアンケートをとり、入社前とギャップがないか、上司の指示は明確か、業務で困ることはないかなどを聞き取る。また、離職理由は上長も聞くが、人事組織開発部も〝ぶっちゃけた〟理由をヒアリングし、会社の責任である部分は改善していく。職員の声を把握し、課題があれば常にPDCAを回していく点が当社の強みだ。

 

 

――実際の離職率は
垣本 急成長をしているが、昨年の離職率は約13%、一昨年は10%未満と安定している。私は「人が全く辞めない会社」も良くないと考える。良い職員を明確な評価基準で評価し、キャリアコースを構築することで新陳代謝を高め、健全な組織運営をするよう経営努力を続けている。

 

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