社会参加型就労デイサービスのカレーショップ/女優・介護士・看護師 北原佐和子氏

2023年11月11日


 

社会参加型就労デイサービスBLG八王子は、八王子駅にほど近い住宅街の中にある一軒家。メンバーの「やりたい」という気持ちが社会参加活動につながるデイだ。
 

放置状態の竹林の竹を削るところから始め、屈まずとも使える長い靴ベラを数年前から作っている。腰痛持ちの私には、この靴ベラは素晴らしく優れもので、数年前に1000円で購入した。
 

地域の子どもたちのために、駄菓子屋も行う。また、近くのスーパーでは、高齢者が安心して来店し買い物をすることができるよう、買い物する上での困りごとや改善点を一緒に考える。店舗からは、こうした仕事の依頼ももらう。
 

 

利用者の経験・特技が活きる

 

そのBLG八王子の利用者がカレーショップを開催すると聞き、カレーを食べる楽しみと、お手伝いを兼ねて行ってきた。
 

主婦歴の長い利用者は、厨房で大量のキャベツ刻みに追われていた。一緒に刻みつつ横目で見ると、細かくキャベツをまな板から散らばすことなく実に丁寧。次はキャベツの塩もみ。大量がゆえに力仕事になるが、黙々と手際よく行う。

 

 

ベテラン主婦の技が光る

 

そしてコック長は、自分で料理店をしていた方で、BLG八王子オリジナルカレーとキーマカレーを担当。納得するまで、何度も味見をし、常に鍋をかき回しながら、じっくり煮込みコクのあるカレーを作る。
 

フロアはファミレスで店長経験のある方の出番。右手に皿を1つ持ち、左には、手のひらに1皿、肘の角度を利用しながら、腕にもう1皿持つ。左手に水入りのコップを3個も持つなど、仕事を離れて数年経つが、プロならではの技を難なく披露した。
 

この店長の課題はオーダー表。カレーは2種類でも、「大盛りにして、サラダは要らない。持ち帰りたい」など、お客さんによって注文は色々で、やはり混乱する。オーダー表は模索しながらも、間違いの起きないように回数を重ねる中で工夫して今に至る。
 

印象的だったのは、片付けも丁寧で、最後までプロ意識が感じられたこと。得意なことを活かした中でそれぞれの役割が、皆さんのやり切った活き活きとした表情につながったように思えた。

 

 

女優・介護士・看護師 北原佐和子氏

1964年3月19日埼玉生まれ。
1982年歌手としてデビュー。その後、映画・ドラマ・舞台を中心に活動。その傍ら、介護に興味を持ち、2005年にヘルパー2級資格を取得、福祉現場を12年余り経験。14年に介護福祉士、16年にはケアマネジャー取得。「いのちと心の朗読会」を小中学校や病院などで開催している。著書に「女優が実践した魔法の声掛け」

 

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