就労デイのカレーショップ②/女優・介護士・看護師 北原佐和子氏

前回紹介した社会参加型就労デイサービス「BLG八王子」のメンバー(利用者)によるカレーショップ開催のお手伝いに行った。先月に続き2回目。
利用者の可能性を引き出す
サラダ担当で、キャベツの刻みや味付けをする主婦のメンバー。厨房ではBLGカレー、キーマカレー担当の、元料理人のメンバー。フロア担当は、ファミリーレストランで店長をしていたメンバー。3人とも慣れ親しんだことを行っているため、素晴らしく手際よく丁寧。手伝っているこちらの方が、キャベツの刻みが荒かったり、刻んでいるとまな板から飛び散ってしまったり。つくづく自分は主婦向きではないことを実感した瞬間だった。
厨房担当のメンバーは、カレーの仕込みが終わると、黙々と片付けに入る。これまた、シンクを丁寧に拭き磨きをかけていた。お客さんも少なくなりみんなで雑談をしていると、料理人はショーケースを黙々と拭いていた。どんなときにも徹底した職人ぶりである。

その日の終わりにショーケースを磨き上げるメンバー
終了後、デイに戻り、カレーショップに参加しないメンバーと合流してそれぞれの1日の振り返りを行う。
「ほかのデイにも行っているけど、交流したり話をする機会はないんだ。ここはみんなとたくさん話が出来るから楽しいんだ」。次の方は「家に居たら奥さんに怒られてばっかり。だからここに来ると安心するんだ」とはっきりと言った。
この方、先程まで近くにあった帽子に執着してコミュニケーションがうまく取れなかった。ところが自分の番になるとはっきりと話した。その変わりように正直とても驚いた。当事者の正直な思いを言葉として引き出すのは容易ではない。こんなにもするするとはっきりと吐露するなんて、想像もしていなかった。
この時に、今まで私は当事者の皆さんの可能性を引き出せていなかったのか。勝手にこれはできる、これ以上はできない、などと決めつけていたように思った瞬間だった。そして自分の思いを正直に語るメンバーの表情は穏やかで喜々としていた。

女優・介護士・看護師 北原佐和子氏
1964年3月19日埼玉生まれ。
1982年歌手としてデビュー。その後、映画・ドラマ・舞台を中心に活動。その傍ら、介護に興味を持ち、2005年にヘルパー2級資格を取得、福祉現場を12年余り経験。14年に介護福祉士、16年にはケアマネジャー取得。「いのちと心の朗読会」を小中学校や病院などで開催している。著書に「女優が実践した魔法の声掛け」











