2024年1月24日号  終面 掲載

インド人材育成強化 現地の半官半民機関と業務提携 Zenken

2024年1月24日

外国人材向け介護福祉士取得支援プログラムを提供するZenken(東京都新宿区)は、インドの介護人材の育成を強化する。昨年7月には、インド人材のキャリア支援を行う半官半民機関NSDC International Limited(以下NSDCI)と業務提携した。独自の教育プログラムを開発・実施し、即戦力となる介護人材を育成する。

 

 

Zenken HRインキュベーション事業本部 SSW事業部
内田真平マネージャー

 

 

独自プログラム開発 25年までに220名目標

 

―― 海外人材といえば、インドネシアやベトナムなどの東南アジア諸国からの受け入れが活発だが、なぜインド人材なのか
内田 圧倒的な量と高い質の人材が担保されているからである。インドの総人口は昨年、中国を上回り、世界最多となった。また、平均年齢が28歳と日本より20歳若い。就労可能な若者を多く抱えており、日本国内の生産年齢人口の減少による人手不足の解消・軽減の一手として期待が高まっている。

 

――どのようなカタチでインドに参入するのか
内田 昨年7月、インド政府資本49%・民間資本51%の公民連携団体NSDC(インド国家技能開発公社)の100%子会社であるNSDCIと業務提携を行った。NSDCはいわゆる日本のハローワークのような機関であり、インド人材のキャリア支援を行っている。
 

今回業務提携したNSDCIはNSDCの海外部門として、国外就労を志向する人材に特化して支援している。
 

この業務提携は、介護分野における特定技能人材・ITエンジニアをはじめとする高度専門職人材の紹介事業および日本における活躍の場の創出、教育環境の改善において双方が協力していくという内容だ。特に当社は育成部分と日本における就労機会の提供を担う。

 

 

――具体的な内容は
内田 NSDCIが2008年にインド首都デリー近郊の都市・グルグラムに設立した全寮制日本語研修センターの学生を対象に研修を行う。NSDCIと当社が協力し、2年制や3年制の看護大学の卒業生を対象とした日本語や日本に関する教育に特化したオリジナル教育プログラムを用意した。 
 

内定後は「介護福祉士」取得を目指す実践的な日本語教育プログラムを実施し、即戦力となる人材を育成する。
 

スクリーニングでは介護人材として日本でのキャリアビジョンをしっかり描いているかを厳しく審査。1クラス20人前後の少人数クラスで実施し、1.5ヵ月から2ヵ月のスパンでクラスを編成する。

 

 

――紹介するインド介護人材の特徴は
内田 インドの中でも中国、ミャンマー、バングラデシュ、ブータンと接する北東部の人材が多い。
 

このエリアの人材は、インドのほかの地域とは違い、日本人と顔立ちが近く、モンゴロイド系の民族に属している。また、ヒンドゥー教徒が半数を割り、文化的にも民族的にも東南アジア・北東アジアに通ずる特徴があるため、馴染みやすいだろう。

 

 

主にインド北東部の人材を紹介する

 

 

――今後について
内田 NSDCは傘下の研修機関とともにインド全土で3000万人以上の人材育成に関わっており、日本での就労を希望するインド人材の送り出しを推進する考えだ。
 

NSDCIは、23~24年度に日本語学習者数を300人以上に増やすことを目標としている。第一段階として、NSDCIとZenkenの取り組みにおいて25年までに220名の日本での雇用創出を目指す。
 

将来的には、介護現場で即戦力として活躍できる人材を育成するため、介護レクの授業もプログラムに加えていく。
 

22年7月に当社が譲受した埼玉県の介護施設では、すでにインドネシアを中心とした海外人材が活躍しており、今後はインド人材も積極的に受け入れる。随時見学会も行っている。

 

 

入国前の研修

 

 

第18回介護経営サミット(3月18日~26日)

 

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