2024年4月17日号  12面 掲載

【地域をかける在宅医】医学的エビデンスと本人の希望 医療法人五麟会グループ理事長 町田穣医師

2024年4月17日

 

医療法人五麟会グループ

理事長

町田穣医師

 

2002 年杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院第一内科(呼吸器領域)勤務。恩賜財団済生会山形済生病院内科、町田市民病院内科勤務を経て、10年4月「まちだ訪問クリニック」設立。13年5月法人化、現職。

 

 

法人概要

設立:2013 年5 月

法人本部:埼玉県朝霞市

訪問対象エリア:埼玉県南西部、東京都北多摩北部

患者数:約1,000 名(2024 年3 月現在)

 

 

医学的エビデンスと本人の希望

 

昔は「俺の言うことを聞け」、今は「エビデンスとしては」。これが医師の “態度”の変遷だろうか。だが在宅の現場は違う。「その人がどう生きたいのか」を慮る姿勢が求められる。必ずしも医学的に正しいことが是とは言えない。

 

余命幾ばくも無い末期がんの女性が銀座で温熱療法を受けたいと言う。紹介状を書き、介護タクシーを手配した。受診の2日後に女性は亡くなったが、ご主人からは「最後に銀座に行けたことをとても喜んでいた」と感謝された。効果的な治療でないことは本人にも家族にも一通り説明した。でも残り時間が少ない本人の希望を、エビデンスを理由に止めることが誰のためになるというのか。疑問を感じていた関係者も最後は納得してくれた。

 

研修医として病院に勤めてからは即断を求められる場面が多かった。いつしか独断で決めることが当たり前になっていた気がする。しかし、在宅は介護も看護も違う所属の人たち。医師の独断で動く現場ではない。家族を含め、関係する職種それぞれの視点から「利用者にとって何が最善なのか」を丁寧に探るコミュニケーションが今は心地よい。

 

 

おすすめの一冊:「経営者になるためのノート」柳井正著(PHP研究所)
趣味・休日の過ごし方 : コロナ禍に始めた登山にハマる。数十回の登山で一番の思い出は娘と登った月山(山形県)。

 

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