2025年1月1・8日号 19面 掲載
ユカリアが新規上場 「ヘルスケアの産業化」実現へ
「ヘルスケアの産業化」をビジョンに掲げ、医療機関の経営支援や介護事業、老人ホーム紹介など多角的に事業を展開するユカリア(東京都千代田区)は2024年12月12日、東京証券取引所グロース市場に上場した。社会的信用度の向上と資金調達力の強化、優秀人材の確保に向かう。
“三方よし”で地域貢献
公募価格1060円に対し、初値975円からのスタートとなった。同社の23年12月期の連結売上高は約180億5400万円、当期純利益は約10億5100万円。24年12月期は前期比10.0%増の198億6300万円、純利益は同91.7%増の20億1500万円予想だ。
05年2月に、古川淳会長がキャピタルメディカ(旧社名)を設立。「ヘルスケアの産業化」をビジョンに掲げ、医療・介護事業の永続性の担保にむけて産業構造の転換に取り組んでいる。日本の病院経営における「医経分離」を目指し、病院の経営支援を数多く手掛けてきた。
上場による調達資金は、同社がパートナーシップ契約を結んで経営支援する提携医療法人の獲得を目的に、病院不動産をセール&リースバックするための不動産取得費用として24~25年度にかけて36億円を充当予定。ほか、人件費および採用費などとして約2億円を充てる予定としている。
主力事業である病院の経営支援に加え、子会社で有料老人ホーム運営のクラーチ、老人ホーム紹介のあいらいふを重要事業と位置づけ拡大する方針。中でもあいらいふについては、エリアを関東中心から全国に広げる。施設入居に際する不動産売却や家族信託といった総合的な支援体制も構築し、高齢者の生活全般の課題をトータルでサポートする体制を整備していく。
「コロナ禍を経て、当社の事業が公的な存在であることを再確認した。社会的責任を果たし、企業価値を向上させていきたい」(三沢英生社長)
.jpg)
上場セレモニーの様子(右:三沢英生社長)