2026年4月15日号 7面 掲載
第65回映画ドラえもん/湖山泰成氏

文化資本の担い手になる
年1回、400座席の映画館を借り切ってアニメを観る。「ドラえもん。」である。
放課後等デイサービスの親子と、職員の親子のみ。泣いたり、笑ったり、走り回ったり、一切お構いなし。親が助かる。でも、仲間の一体感と安心感があり、ずっと和やかな雰囲気で、楽しく映画鑑賞ができた。子どもたちとこのアニメを観るために、片道3時間半の新幹線に乗るのである。職員との慰労食事会も楽しく、思い出の人生の1日を過ごした。
職員は普段の仕事に加えて、映画イベントの準備もあり大変だっただろう。受付では、採用内定者の若者も楽しそうに湖山焼印のどら焼きを配っていた。湖山グループは何でもできる。職員がやりたいと思えば、このような楽しい、素晴らしい企画も、自ら実行し、体験ができるのだ。施設が赤字でなければ。
自分で稼いで自分で使う。社会のために、自分のために。それが、湖山の実践福祉だ。私たちが満足し、幸せになれる。
このイベントがないと、小生も、ドラえもんを映画館で鑑賞することはなかった。パンフレットを片手に、ポップコーンを頬張る子どもも可愛い。でもそれ以上に、隣に座る幸せそうな親御さんの顔が嬉しい。
日本のアニメは、童話と神話を併せ持った物語。子どもの心を育むのは、ドラえもんのようなアニメだと思った。
お土産にもらった、「からす麦五穀焼きたてクッキー」が素朴で美味しかった。湖山グループは何でもできる、なんでもポケット。そして心はどこでもドアだ。
■未来劇場
泰成君は子どもの時から、図書館、美術館、博物館、映画館、劇場が大好きである。文化的・芸術的素養があったのか。単に友達もおらず、皮膚が弱いので、日の下で球技など大嫌いだった。映画や演劇や読書はインナートリップだ。タイムトンネルでもある。泰成君は引きこもりであり、孤独は安らぎだった。
東京には、企業が膨大な建築費と運営赤字を担った美術館や劇場がある。でも地方には、民間企業開設の劇場はほとんど見当たらない。地方自治体が大型劇場の建築に前向きであるのは素晴らしい。でも、建設後の毎年の莫大な運営費の赤字を想定していない。観客の動員も、アーティストの招待も難しい。
私は、80座席くらいの小劇場、映画館を提案している。医療・福祉・教育施設、つまり、病院・特養・老人ホーム・高齢者住宅・学校・保育園に併設したらよいと思う。湖山グループは運営もする。
アートは、生きる励ましとなる。人生そのものだ。少なくとも、もうすぐ71歳の泰成君は、そう信じて、人生を送っている。

湖山泰成氏 プロフィール
1955年生まれ。三井信託銀行(当時)を経て、27歳のときに父親が副院長を務めていた銀座菊地病院の再建を果たし、医療・福祉経営の道へ。医療法人・社会福祉法人・事業会社・NPO法人合計33法人で、全国20都道府県で639ヵ所の事業所を擁する国内屈指の医療・福祉グループへと成長させる。










