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ベネッセ、タイミーと提携 介護人材不足に対応、業務分解でスポット活用拡大

2026年4月21日

ベネッセスタイルケアグループのベネッセキャリオス(東京都千代田区)は4月20日、スキマバイトサービスを展開するタイミー(同港区)と、介護人材不足の解消に向けた戦略的業務提携に関する基本合意を発表した。記者会見で両社は、介護の持続可能性を左右する人材不足を「最重要課題」と位置付け、未経験者の参入から定着までを一体的に支援する取り組みを進める考えを示した。

 

(左から)ベネッセキャリオス 橋本英知社長、ベネッセスタイルケアグループ 小林仁社長、タイミー 小川嶺社長、タイミー 介護福祉事業担当執行役員 山岡和人氏

 

 

 

 
ベネッセスタイルケアグループの小林仁社長は、2040年に約57万人の介護職員が不足するとの見通しに触れ、「介護の持続可能性の維持・向上にとって人材確保が一丁目一番地だ」と強調。また、介護業界は大手でもシェアが数%にとどまる「ロングテール構造」であるとし、「個社だけでは限界があり、業界全体で取り組む必要がある」と述べた。

 
提携では、タイミーの持つ1340万人のユーザー(働き手基盤)と、ベネッセスタイルケアの現場運営の知見を組み合わせることで、無資格・未経験者の流入や潜在有資格者の復職を促す。ベネッセキャリオスの橋本英知社長は、「新たな人材流入と定着を実現する仕組みを構築したい」と語った。

 
具体施策として重視するのが「業務分解」だ。タイミーの小川嶺社長は「約360施設を運営するベネッセスタイルケアが持つ現場知見を基に介護業務を451に細分化し、その約9割をスポットワーカーでも担える形に切り出すことが可能」と言及。無資格者でも関われる業務を明確にし、働き手の裾野拡大につなげる考えだ。

業務分解の例

 

 
橋本社長は、事業者への導入支援について「現場でどう使うかを含めたカスタマーサクセスは当社が担う」と述べ、業務分解やマニュアル整備などの現場実装をベネッセ側が主導する方針を示した。

 
事業者向けには、タイミーの導入促進に加え、業務分解やマニュアル作成を含む伴走型のカスタマーサクセス支援を提供する。一方、働き手向けには育成の仕組みを整備し、研修や資格取得支援などスキルアップの機会を提供する。さらに、継続的な就業に関心を持った人材についてはベネッセキャリオスの人材紹介サービスにつなぎ、長期的な就業と定着を後押しする。
研修では、ベネッセが提供するeラーニング形式のサービスを活用。就業前後のタイミングに応じて必要な学びを提供していく。

 

取り組みの概要

 

 
スポットワークには、単なる短期労働ではなく、就業の入り口としての役割が期待されている。タイミーによると、介護現場で働いた無資格者の7割以上が継続的な関与意向を示し、うち約4割が資格取得や長期就業を検討しているという。小林社長も「8時間シフト前提の働き方だけでは、今後の介護サービス提供体制を維持できない」とし、柔軟な働き方の必要性を指摘した。

 
安全性確保の面では、有資格者と無資格者の業務を明確に分けるとともに、マニュアル整備などにより対応する。さらに現場では今後、「有資格者と無資格者、そしてテクノロジーの活用が不可欠になる」との認識を示し、複合的な体制整備の必要性を強調した。

 
ベネッセキャリオスが展開してきたスポットワークサービス「キャリオス1DAY」については、タイミーのプラットフォームへ統合していく方針。今後はタイミーの基盤を活用しつつ、ベネッセが現場支援を担う形で連携を進める。

 
両社は数万~数十万規模のマッチングを視野に、段階的に事業を展開していく考えだ。

 

 

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