ベネッセスタイルケア滝山真也社長が語る事業戦略

2014年5月26日

特定施設を主体に展開してきたベネッセスタイルケア(東京都渋谷区)が住宅型有料老人ホームの開設に力を入れている。また、サービス付き高齢者向け住宅(以下・サ付き住宅)に進出する。今後の事業戦略について、滝山真也社長に話を聞いた。

 

──自治体の総量規制で特定施設の開設が相変わらず厳しい中、今後の事業戦略は。

 

「ある調査によると、特定施設は昨年1年間で、全国で130棟しか開設されていない。ある程度の数の有料老人ホームを開設しようとしたら住宅型を手掛けざるを得ない。当社でも以前は、住宅型は年に1棟程度だったが、昨年度は6棟と全体の約4割を占めた。今年度は20棟の開設を計画しているが半数程度が住宅型になるだろう」

 

──住宅型を開設・運営する上で課題は。

 

「消費者やケアマネジャーの間で、住宅型が正しく理解・評価されていないのではないか。『軽度者向け』『重度になったら費用負担が跳ね上がる』と思っている人も多い。こうした誤解を解く必要がある」

 

──具体的な方策として取り組んでいることは。

 

「特定施設が消費者から支持を得ているのは『看護師が配置されている』『夜間に複数のスタッフがいる』『認知症ケアに関する取り組みがなされている』点だと考えている。この3点を満たした上で、住宅型の特徴でもある『ケアプランに基づく個別ケア』を提供すれば、特定施設よりも上質なケアが実現できる。当社では、こうした住宅型を『新・住宅型』として開設していく。一昨年、その第1号として千葉県船橋市に『ここち西船橋』を開設した。定員66人が1年で満床になるなど好評で、スタッフからの評判もいい」

 

──リハビリ型デイサービス併設の住宅型ホームもあるそうだが。

 

「昨年末に、1回3時間・1日2回転のリハビリ型デイを併設した『グランダ』を東京都世田谷区に開設した。同じスキームの住宅型ホームは、もう1棟世田谷区内で開設を控えている。展開するブランドのうち『くらら』『まどか』はユニットケアを採用しているので住宅型での運営は考えにくいが、それ以外のブランドであれば住宅型でも展開できる」

 

──サービス付き高齢者向け住宅も手掛ける。

 

「今年8月、東京都府中市に『リレ府中白糸台』がオープン予定だ。近隣には当社が運営する有料老人ホームが既にあり、ドミナント戦略の一環として比較的自立した生活をしたい人向けとして開設する。そのため、居室は25平米以上とする。当社有料老人ホームへの住み替えに際しては優遇措置も設ける」

 

──先月から新会社で配食事業を行うなど、有料老人ホーム以外の事業にも積極的だ。

 

「テーマは『地域』だ。地域には『有料老人ホームに入る』以外にも高齢期の生活に対しての様々なニーズがある。ベネッセグループでそれらに対応していくような体制作りが必要になるだろう」

 

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