ソフィアメディ(東京都目黒区)水谷和美社長

2015年10月26日

ソフィアメディ(東京都目黒区)が、認定看護師や専門看護師による訪問看護サービス、訪問診療などを武器に、東京・城南4区(目黒・世田谷・大田・品川)でのシェア率を高めている。同4区で訪問看護のシェアは約33%に達している。同社の戦略を聞いた。

 

同社の主力は「ソフィア」のブランドで展開する訪問看護サービス。目黒区・品川区・世田谷区・大田区、川崎市などで22ヵ所の訪問看護ステーションを開設している。各ステーションが半径2キロメートル以内でつながるネットワークが同社の強み。訪問看護サービスのシェア率は目黒区の42%を筆頭に、世田谷区37%、品川区33%、大田区28%(数字はいずれも介護保険サービス:各行政保険者支払いベース)。

 

「地域密着戦略で利用者が集中しているため、労働生産性を高めることができるのが利点」(水谷社長)。

 

看護師に加え、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのスタッフが充実していることも同社の訪問看護の特色。現在看護師は140名、PT・OT・STは合計150名が在籍。様々なリハビリニーズにも応えられる。

 

すべての訪看ステーションで「機能強化型」を取得。認定看護師や専門看護師中心のチームによるハイレベルな看護行為にも対応する。

 

「在宅医の補完を看護師がしっかりとこなすことができる」(水谷社長)。

 

さらに精神科対応強化型のステーションを設け、訪看サービスのバリエーションを増やしている。

 

昨年11月、目黒区緑が丘に「ソフィア総合ナースステーション城南」を開設。訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、居宅介護支援事業を併設。10月からは同じビル内に、グループの医療法人として2ヵ所目となる訪問診療主体の在宅療養支援診療所がオープン。

 

「ソフィア地域包括メディ・ケア城南」の中核として、24時間・365日、訪問診療から訪問看護・リハビリ、訪問介護の複合拠点の役割を担う。事務所内にスタッフが宿泊できるスペースも設けた。

 

独自の人事評価方式を採用。管理職・専門職・総合職別の評価シートに基づき、各個人の成績と上司評価・自己評価の加重平均値を算出しランキングを基準に評価する。

 

基本となる加重平均値は、成績・成果など数値化での判断が50%、上司評価が35%、自己評価が15%。ランキングは最高クラスのSからABCDの5段階に分類。月間の標準の訪問数などが評価判断基準のひとつなる。

 

社員は年俸制の正社員とフレックス形式の回数制社員に分かれる。全社員約400名のうち、6割を年俸制正社員として採用している。

 

全社的な研修から管理者、資格者、事業所ごとの研修まで、独自のプログラムによる教育体制が機能。症例勉強会、事業所ごとの勉強会、管理職・総合職向けのレクチャーを定期的に開催。水谷社長によるレクチャーでは経営方針、業界・社会の動向や常識について学ぶ。

 

「充実した教育体制が雇用の安定化につながっている」(水谷社長)。

 

現在40ヵ所で在宅医療・介護サービスを展開。訪問看護で約4000名の利用者にサービスを提供。全サービスでは利用者は約5500人にのぼる。今年度の売上高は30億円、営業利益で2億5000万円を見込む。自己資本比率は73%に達する。

 

2019年度までの計画で指定訪看ステーション30ヵ所(非サテライト)、看護小規模多機能型居宅介護等5ヵ所、在宅療養支援診療所3ヵ所、定期巡回・随時対応4ヵ所(サテライト含む)が目標。「城南エリア」に設けた「メディ・ケア」拠点もさらに3ヵ所増やし、4ヵ所体制とし、地域全体のケアをカバーする。同年の売上高は47億円の見通し。

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