日本介護福祉グループ(東京都墨田区)創業者 藤田英明氏

2016年5月6日

今年4月、小規模デイサービスが地域密着型サービスへ移行された。これにより新規開設などに大きな影響が出ることが考えられる。事業者はこれにどう対応していくのだろうか。「茶話本舗」ブランドで小規模デイサービスを展開する日本介護福祉グループ(東京都墨田区)創業者の藤田英明氏に話を聞いた。

 

民家改修型の事業拡大困難

 

──「茶話本舗」の今後の展開は。

 

藤田 4月に小規模デイサービスが地域密着型サービスに移行されましたが、自治体の中には早くも小規模デイサービスの開設を受け付けないなどの動きが出始めています。加えて、昨年4月に、お泊りデイサービスの設置・運営に関するガイドラインが国により定められ、宿泊スペースについて一定の面積が必要となるなど、様々な条件が課せられました。こうした点を考えると、今までの「民家改修型」「小規模」のモデルでお泊りデイサービスを増やしていくことは難しいと考えています。それに代わる事業モデルの構築・普及が必要です。

 

──それは、どの様なものですか。

 

藤田 消費者からのニーズの多い「お泊り」は提供しつつ、小規模ではなく、かつ国のガイドラインにも適合したものです。昨年10月、飯田ホールディングスの子会社である東栄住宅と、新形態のデイサービス開発に関して業務提携を行いました。その成果である「ブルーミングケアステーション」が今年秋に千葉市に完成の予定です。定員18人で最大9人の宿泊を受け入れるデイサービスを新築で開設します。これにより宿泊スペースの問題やスプリンクラー設置の問題なども解決できます。また定員は19人以上にできる余地を設けることで、地域密着型サービス移行の影響にも対応できます。

 

──その新型デイサービスを、どの様な形で展開していく考えですか。

 

藤田 当社で直営するほか、茶話本舗同様にフランチャイズ展開も行います。新規募集のほか、既存の茶話本舗フランチャイズオーナーの中で「建物の都合上スプリンクラーを設置できない」などといった問題を抱えているところについては、茶話本舗を閉じてブルーミングケアステーションに新設移転することなどを提案していきます。そうした茶話本舗からの転換なども含めて700店舗ぐらいの規模にまで持っていくことが目標です。
ただし、東栄住宅の事業展開エリアだけでは限界もありますので、ほかのハウスメーカーとも連携して供給を進めていく必要があるでしょう。実際に大手数社と話を進めています。

 

代取2人体制に 経営力強化図る

 

──今年に入り、経営体制も大きく変わりました。

 

藤田 1月20日付で私が代表取締役を退き、当社創業メンバーでもあり、一昨年秋にアドアーズの子会社となるまで代表取締役を務めていた小柳壮輔が再び代表取締役となりました。
昨年8月にアドアーズ子会社から離脱して以降は、社内体制を早急に再整備する必要もあり、私と小柳のツートップ体制を敷いていましたが、それが一段落したこともあり、アドアーズ以前の体制に戻しました。
また、当社と一緒に東栄住宅と業務提携を行った介護事業会社ウェルフューチャーの舛水務社長にも4月15日に、当社の代表取締役に就任してもらいました。代表取締役2人体制とすることで、経営体制の強化を図ります。

 

──今後、新たな資本提携先を探していく考えは。

 

藤田 今後、新事業を展開していくには資金が必要です。とは言っても私や小柳の個人保証では金融機関からの融資に頼るにも限界があります。その点を考えても新たなパートナーを探したい、という思いはあります。
アドアーズとの資本提携はわずか9ヵ月で終わってしまいました。これについては、当社も先方も互いに「相手のことを十分に理解していなかった」ことが大きいと思います。今度、パートナーを探す場合には、双方の考え方やシナジー効果などについて吟味を重ねていきたいと考えています。

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