住宅セーフティネット法改正で2020年度までに17万5000戸登録へ

2017年5月3日

高齢者や子育て世代、低所得者など住宅確保要配慮者(以下・要配慮者)向け賃貸住宅として空き家・空き室を登録し、情報提供する制度の創設を盛り込んだ「改正住宅セーフティネット法」が4月19日、今国会で成立した。国土交通省は今年秋にも運用を始め、2020年度までに17万5000戸の登録を目指す。改正法関連の財政支援も行う。

 

改正法には、要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として自治体に登録した物件への家賃、家賃債務保証費用、住宅改修費に対する補助、さらに登録物件の情報を提供する居住支援法人の新設などが盛り込まれている。増え続ける空き家を活用し、要配慮者の住宅確保を支援するのが狙い。

 

登録制度は、空き家・空き室の所有者が賃貸住宅として都道府県などに届け出る仕組み。要配慮者が暮らしやすいよう、耐震改修やバリアフリー化することを想定し、住宅金融支援機構の融資対象に追加する。

 

改正法関連の財政支援として、政府は2017年度予算で登録住宅の耐震改修やバリアフリー化の費用を最大200万円助成するほか、低所得世帯の家賃を補助する仕組みも設ける。地域の実情に応じて最大4万円までの家賃補助と、最大6万円までの家賃債務保証料の補助を受けられるようになる。

 

国交省住宅局住宅総合整備課は「要配慮者の入居に不安を感じている家主に対して理解を求め登録件数を増やすとともに、空き室を保有している家主と入居したい要配慮者の円滑なマッチングの仕組み構築が重要」という。

 

この仕組み構築に向け、新設されるのが居住支援法人。登録物件の周知を行う自治体は、その推進役として居住支援協議会を設けているが、その中核を担う団体として位置づけられている。居住支援法人には、介護・福祉系NPO法人、社会福祉法人、不動産・賃貸管理会社、CSR活動を行う一般企業などを想定しており、要配慮者の相談窓口となり、相談に応じて登録住宅の情報提供や入居後のフォロー、家賃債務保証などを行うことが役割となる。

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