新卒採用にSNS活用 情報発信が鍵
リクルート(東京都千代田区)が運営する介護情報メディアHELPMAN JAPANは8月26日、介護業界の新卒採用トレンドをテーマにセミナーを開催。介護・福祉業界の2法人が、新卒採用における事例を紹介した。
最新動向セミナー 事業者が事例紹介
障害者グループホームや訪問介護事業所などを運営する、ビジョナリー( 愛知県一宮市)の丹羽悠介社長は「SNSを活用した母集団形成」をテーマに登壇。
同社には1年に100件以上の採用の応募があり、その多くがSNS 経由となっている。丹羽社長は、「会社の求める人材を明確化した上で、その人がどういったツールを通じ就職先を探しているか調査した」と話す。そこから、ツイッターなどSNSを通じて自社の魅力の発信を始めた。
法人が設立したフィットネス実業団の活動の発信や、インフルエンサーとのコラボレーションなどもあり、多くの学生から応募が来るようになったという。「SNSを活用した採用のポイントとして、『何をしている会社か知りたい』と思わせる投稿をする、毎日必ず更新する、この2点が重要」とした。
次に登壇した、日の出医療福祉グループ人事部の大西恵理子氏は、「『脱・自己分析』インターンシップ」の題で登壇。以前は、合同説明会などでは数名しかブースに立ちよる学生がいないなど、採用に苦戦していたという。そこで、合同説明会から本採用に至るまでの流れにおいて、それぞれのやり方を見直した。
合同説明会では、自法人の紹介の前に学生が何を求めているのか話を聞く、就活では何が重要なのか伝えるなど、学生の信頼を獲得することに注力。個別説明会やインターンシップに進んだ学生に対しては、介護の「プロの仕事」とは何かを職員と触れ合うことで、実際に感じてもらうこととした。
最後に、リクルート就職みらい研究所の増本全所長が、新卒採用の動向について解説した。 新卒採用はコロナ禍の影響により一時的に落ち込んでいたが、現在はコロナ禍前と同等の水準に回復した。就活においてウェブ活用が進み、インターンなどの体験が即時に様々な人に共有されるようになった。増本所長は「事業者は、学生にとって良い体験を作って行く必要がある」と語った。