多摩NT、団地再生事業 コミュニティネットワーク協会(豊島区)
一般社団法人コミュニティネットワーク協会(東京都豊島区)は4月26日、同法人が手掛ける多摩ニュータウンの団地再生事業に関わる記者懇談会を開催。団地内にオープン予定の「多世代・多文化型交流拠点」の概要や事業の現状、今後の展望について意見交換が行われた。
交流拠点で意見交換会
同法人は、多摩ニュータウンの松が谷地区の団地再生事業を2020年より行っている。東京都住宅供給公社の委託を受けてのもので、20年度の国土交通省「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」にも採択されている。
松が谷商店街内の空き店舗を改修し、「コミュニティプレイスまつまる」を22年夏にオープンする。約300坪の建物敷地内に、コミュニティカフェや、総菜の製造販売所、サロンなどが入居。元パラリンピック卓球監督の新井卓将氏がインストラクターを務める卓球教室も開かれるという。
障害者就労支援の場にも
これらのスペースは、高齢者や障害者の働く場所ともなる。「まつまる」内に、障害者就労支援B型事業所を開設。一般社団法人ソーシャルファームミレットロードと提携し運営する。22年度新設の、就労者の不安解消の取り組みを評価する「ピアサポート加算」や、地域との繋がりを構築する取り組みを評価する「地域協働加算」も取得予定。
ほか、要支援、要介護認定を受けていない高齢者を対象としたデイサービスも運営。すでに、団地の空き室を活用したサービス付き高齢者向け住宅の運営も開始しているという。

「まつまる」がオープンする松が谷商店街
「開設に向け、住民への説明会も実施しました。協会ではプロジェクトの大枠を設定し、具体的なところは住民の生の声を反映させながら進めています」と髙橋英與顧問。
懇談会では、自治会との協力関係を築くことに難しさはないか、将来的にどのように団地全体の活性化を図っていくか、などについて意見交換が行われた。
「これはあくまで住民主体のプロジェクト。住民の声を拾いながら、色々な企業と提携しサービスを構築していけるのが民間法人による団地再生事業の強さだと考えています」(髙橋顧問)
渥美京子理事長は、「学生や若者世代も改修作業などで事業に携わっている。多世代からの注目度も高いと感じています」と語った。