保護猫の里親探し 社会福祉法人職員がNPO設立
社会福祉法人信和会(千葉県長南町)は2020年より、関連NPO法人で保護猫を里親につなげる活動を行っている。介護施設に入居する際などに飼い猫を育てられなくなった高齢者らから引き取り保護している。

くつろぐ猫
所属法人も支援
NPO法人博愛会(同茂原市)きんくているでは、保護猫のシェルターを運営。5月末時点で、6匹の猫を保護している。保護しているのは、施設への入居や認知症などの持病により飼育が難しくなった猫や野良猫、地域包括支援センターから保護依頼があった独居高齢者の飼い猫など。
保護した猫は、里親募集サイトを通し飼育を希望する人に譲渡する。譲渡先は1都3県で、これまで十数匹の猫が里親のもとに譲渡された。
きんくているでは、保護した猫にウイルス検査、避妊手術などの医療処置などを行ったのち数ヵ月後に里親募集を開始。里親希望者にはシェルターに来て実際に猫を見てもらい、その後トライアル期間として2週間自宅で飼育してもらう。自宅に訪問し飼育環境に問題がないとの判断に至れば、正式譲渡となる。

シェルターの様子
十数匹の猫新たな飼い主の元へ
活動の中心となっているのが、信和会の職員でもあるNPO法人博愛会きんくている・岩瀬美咲理事長。入職前から野良猫を自宅で保護し、里親につなげる活動を行っていたという。「介護施設で働くなかで、様々な事情で飼い猫を育てられなくなった高齢者を目にし、問題意識を抱くようになりました」(岩瀬理事長)

NPO法人博愛会きんくている
岩瀬美咲理事長
そこで信和会のバックアップのもとNPO法人での活動を開始。スタッフは、信和会の職員とボランティアスタッフを合わせ約20名まで増えた。インスタグラムなどでの発信により、活動に関する問い合わせも増えている。「3月以降、譲渡に至ったケースが続いています」(岩瀬理事長)
信和会の施設でアニマルセラピーを取り入れていることから、将来的に保護猫を同法人施設で飼育することも考えているという。「地域一帯に活動を広げていきたい」と岩瀬理事長。
保護猫活動を通して、地域での法人の存在感を強めている。