ロコモ予防「測定会」で可視化 東急イーライフデザイン
「生涯筋活アドバイザー検定」3級を取得し、東急イーライフデザインで「ロコモ予防プロジェクト」を担当する、事業企画部の藤牧奈峰氏。「グランクレール」での体操教室の実施と効果について話を聞いた。

事業企画部ロコモ予防プロジェクト担当
藤牧奈峰氏
3級保持者が体操指導
――プロジェクトの活動について教えてください。
藤牧 2015年から開始し、現在はグランクレールシニア住宅15施設中13施設で体操教室と測定会を実施しています。各施設には東急スポーツオアシスよりインストラクターが訪れて体操教室を行っており、この視察や、補助として体操指導をすることで、体操の質の担保や好事例の共有を行います。各施設におけるプロジェクトの担当者から3級取得を推進しており、8月末時点で52名が取得し活躍しています。
――体操教室と測定会の具体的な内容は。
藤牧 週2回程度の体操教室では、強度に応じて30分のベーシックコースと45分のアドバンスコースなどを用意。年2回実施する測定会では「ロコモ度」を測定するべく、体組成測定による筋肉量のチェック、歩行速度、歩幅の変化をしっかりと見ます。測定結果は約15分かけて参加者にフィードバックするので、自身の身体状況を可視化できモチベーション維持につながっています。
プロジェクト開始から7年間のデータを基に効果検証をして改良を重ねてきた中で、①立位の筋トレを重視する②スクワットを取り入れる③ゆっくりした動作でスロートレーニングを行うといった特徴があります。
――同検定の活用事例を聞かせてください。
藤牧 検定受講を通し、指導に値する知識が身についていることが一番のメリットです。例えば、トレーニングによる筋量向上のメカニズムとして、運動により一旦筋肉を破壊し、2日ほどかけてより強く再生されるということを知っていれば、「毎日無理して行うのではなく、2~3日に1回などの頻度で十分ですよ」といった指導ができます。
こうしたエビデンスを随時反映でき、自信をもって指導ができます。
――今後の展望は。
藤牧 スタッフがこうした知識を持っていることは、入居者の信頼・安心につながります。現在プロジェクトに関わっているスタッフは介護職、看護師、フロントスタッフなど多職種ですが、まずはこれらの担当者全員の3級取得を目指します。
当社では、来年、再来年にも1施設ずつグランクレールの開設を予定しています。今後は、インストラクター同等の知識を習得できる2級・1級の保持者も増やしていきたい考えです。

体操教室の様子