中等度から軽度まで レベル別デイ、PTが構築 ONE-TO-ONE(千葉県浦安市)

2023年3月23日

 

 

ONE-TO-ONE(千葉県浦安市)は同市、市川市を拠点に、デイサービスと訪問看護を軸とした事業を展開する。デイは「中等度対応」や「軽度対応」など店舗ごとにターゲットとする利用者を変え、異なる機能訓練プログラムを提供。中等度対応から軽度対応に「卒業」する利用者も多数いる。

独自のスキームで地域の人の在宅生活を支える理学療法士の栗山圭吾社長に聞いた。

 

 

ONE-TO-ONE
栗山圭吾社長

 

 

 

「学校式」を新設 訪看でリハ提供も

 

 

――事業概要は

栗山 デイサービスを4店舗、訪問看護事業所、訪問マッサージ事業所を各1事業所運営している。直近の年間売上高は約3億2000万円。

リハビリ特化の「中等度対応型」(定員23名)、要支援の人を主な対象としフィットネス要素の強いプログラムを提供する「軽度対応型」(定員24名)を計3店舗運営する。

 

2021年、半日型デイではカバーできないレスパイトや入浴サービスの需要に応えるべく、要介護者対象の1日型デイ(定員28名)をオープンした。各店舗の稼働率は現在、約8割~9割を維持している。

 

訪問看護については、看護師5名のほかPTが十数名在籍し、リハビリを提供する場合も多い。がん末期や指定難病など医療依存度の高い人による医療保険の訪問看護の利用も一定数ある。

 

 

――デイ各店舗のプログラムの特徴は

栗山 「中等度対応型」にはPTが常駐し、マンツーマンや集団リハ、マシントレーニングなどを組み合わせて行う。要介護度が3~5と比較的重度の利用者もいるため、リハビリ内容は強度を抑えたものになっている。利用者がスマートウォッチを装着し、心拍数や運動量を可視化するモニターを設置。リスク管理や利用者のモチベーションにも配慮している。

 

「軽度対応型」デイでは、ADL向上や転倒予防体操、「ホームエクササイズ」などをサーキット形式で行う。バランスボールや専用マットレスなどの器具、立って行う運動を多く取り入れるなど、中等度対応型デイより負荷の大きい運動を積極的に取り入れている。PTが構築したプログラムであるため、安全かつ実効的な機能訓練を提供できるのは強みだ。

 

1日型のデイは「学校」がコンセプト。授業形式でコグニケアやリトミックなどを提供しており、コミュニティ形成が苦手な傾向にある男性利用者の割合が約6割と高い。看護師が2名以上常駐しているのも特徴。このデイの利用者は当社の訪問看護のリハビリサービスを併用する人も多いため、デイの看護師と訪問看護スタッフが連携して健康管理や在宅の生活を支えている。

 

 

――高齢者の「社会復帰」までを一連の流れで支援している

栗山 当社の事業は、退院したばかりの人が地域で「社会復帰」するまでを支援できるモデル。訪問看護の利用で在宅生活を始め、デイ利用に移行し徐々に運動機能の向上やコミュニティ参加を果たすイメージだ。

中等度対応型デイに通う人がよりハードな運動を望む場合は、軽度デイにどんどん移行し、場合によってはデイ自体からも「卒業」してもらう。そうするとケアマネからの信頼獲得につながり新規の紹介も増える。同じモデルのデイを横展開するより、長期にわたりサービスを提供できるのも経営上の利点だ。

 

 

――専門職が多く活躍するのも特徴

栗山 専門職は一般的に採用が難しいので、当社ではフルリモートで勤務する3名の採用担当者を配置。常にリクルーティングサイトの掲載情報を更新するなど優秀な人材の獲得に力を注いでいる。

 

実際、当社の人材は優秀な人が多い。例えば浦安の中等度対応型デイに在籍するPTは、出身校である筑波大学大学院での学びを活かし、利用者が自宅でも自主的に運動できるサービスのあり方を追求している。

 

 

――今後について

栗山 保険制度内のサービスはほぼ完成した。今後は国内や東南アジアでのコンサルティングや高齢者向けサプリメント販売、機能訓練士養成などに注力していきたい。

 

 

ダンスバトルをイメージした機能訓練

 

 

 

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