デイ卒業後、自費で脳卒中リハビリも 道内でパーソナルトレーニングジム最多 SHARE(札幌市)

2023年3月23日

 

 

リハビリ特化型デイサービスから事業を始め、現在はパーソナルトレーニングジムとして北海道で最も多い店舗数を展開するSHARE(札幌市)。介護やフィットネス分野にとどまらず、医療の視点を取り入れているのが特徴だ。

 

職員への医療分野の教育、医療機関と連携したジムの運営、自費の脳卒中リハビリの提供などを行い、顧客のニーズに対応している。佐伯輝明社長に話を聞いた。

 

 

 

SHARE
佐伯輝明社長

 

 

 

――デイからどのように事業を拡大させたか

佐伯 利用者であった母が、元気になって介護保険から卒業したことがきっかけで、自費で運動を続けられるジムに発展した。現在はリハ特化型デイ7店舗のほか、卒業後、もしくは要介護になる前に通えるパーソナルトレーニングジムを21店舗展開。さらに訪問鍼灸・訪問リハビリなども行っている。介護事業とフィットネス事業の売上はほぼ同等で、売上高は約6億円だ。

 

 

――パーソナルトレーニングジムの店舗数を伸ばしている要因は

佐伯 一般的なパーソナルトレーナーは高価格設定である一方、当社は1回20分、月6578円といった「短時間・低価格」モデル。約10分、1000円台で髪が切れるヘアカット専門店「QBハウス」から着想を得た。1回20分であれば運動が億劫な人でも気軽に始められるため顧客数が増え、回転率も高められる。スーパーマーケット内に店舗を構えることもポイントで、健康意識が高まる世代が買い物ついでに通える場として好評だ。

 

 

――医療分野の教育を重視している

佐伯 例えば膝が痛い人に対し、医師ができるのは治療まで。一方でフィットネス業界のトレーナーは知識不足により的確に指導できず、介護業界ではほかの人と同様の集団運動をさせてしまっているケースは多い。そういった「医療・フィットネス・介護」の狭間の悩みを抱える人にもアプローチするため、当社はPTなどの積極採用だけでなく、月1回程、店舗を閉めて外部講師による医療や栄養知識などの社内勉強会を実施。今期からは内科や外科などに関する社内資格を設け、取得した人のみ特定の疾患を持つ顧客に指導できる仕組みを整備中だ。

 

介護やフィットネス業界のスタッフが所得を上げるためには、医療知識を深めて顧客対象を拡大させていかなくてはならない。

 

 

――医療法人と連携したジムや、自費の脳卒中リハビリ施設も展開

佐伯 私たちが作成した運動プラグラムを医師が確認し、「運動療法処方箋」を出してもらえば、施設利用料が医療費控除対象となる「指定運動療法施設」を2ヵ所運営。整形外科や総合病院と提携して運動や食事の指導を行っている。

 

脳卒中の後遺症を改善するための自費リハビリ施設では、認定理学療法士を配置。1回100分、16回分を計29万7000円のコースで提供している。当初の顧客はデイの利用者を想定していたが、実際には50代が多い。「仕事に復帰したい」という強い思いがあり、より多くの費用を支払ってでもリハビリの成果を望んでいるということだろう。

 

HPからの申し込みが多いため、WEBマーケティングには注力している。10名の定員は常時満員で、今年度は3店舗目の開設を計画中だ。

 

 

自費の脳卒中リハでは、急性期・回復期のリハビリ病院で経験を積んだ専門職が個別対応

 

 

 

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