介護予防支援、委託料変更 21年度改定後8割の自治体で CMAT

2023年3月31日

NPO法人東京都介護支援専門員研究協議会(東京都千代田区/以下・CMAT)は1月、「令和3年度介護報酬改定の影響」アンケート調査結果を公表した。2021年度改定を受け、介護予防支援において地域包括支援センターから居宅介護支援事業所に支払われる介護予防支援業務委託料について、大多数の自治体で変更があったことなどが分かった。

 

 

 

この調査は、東京都内の62自治体の介護保険担当部署を対象に、昨年9~10月に行われた。回収数は36(有効回収率58.1%)。21年度報酬改定による居宅介護支援事業所の利用者、運営者、行政への影響や、介護予防支援(要支援者のケアプラン作成・調整など)の委託状況の実態把握を目的とする。

 

 

21年度改定では、介護予防のケアマネジメントについて包括から居宅への委託を進めるため、適切な情報連携などを評価する「委託連携加算」が創設された。利用者1人につき月300単位。包括が算定する。

 

加えて、同改定では介護予防支援の基本報酬も月431単位から438単位まで引き上げられた。これらの基本報酬や加算の動向を踏まえ、包括が居宅に支払う介護予防支援業務委託料を決める。

 

 

今回の調査結果では、改定後に83.3%の自治体が、介護予防支援業務委託料が変わったと回答。改定前には委託料を4422円としていた自治体が9と最多だったが、改定後には4494円とした自治体が10で最多となった(有効回答数:28件)。また、改定後に初回加算分が増額している自治体は1となった。

 

委託連携加算を計上した利用者がほかの居宅に移った場合に再度同加算を算定できるかについての問いでは、再度算定できるとする自治体が70%と大多数を占めることも明らかとなった。

 

 

改定を受け、包括から居宅への委託数が「増えた」とする自治体は10.3%。58.6%の自治体では「変わらない」という結果となった。理由としては、「委託連携加算は1ヵ月限りのものであるため、効果があまり感じられない」「人材不足により委託を受けてもらうことが困難」などが挙げられた。

 

ほか、区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ利用サービスに偏りが見られるなどのケアプラン対応について、居宅を事業所単位で抽出するなどの点検を行っている自治体は36.1%であることが分かった。現状で点検を行っていない自治体でも、「体制が整い次第実施予定」「コロナ禍での業務逼迫により対応できていないが、今後実施する予定」など点検に前向きな回答が多数みられた。

 

 

 

 

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