介護用品中古にニーズ 事業年間売上10倍へ SHERPA(東広島市)

2023年4月5日

 

 

訪問介護事業所を運営するSHERPA(東広島市)は介護用品の中古買取・再販事業を行っている。利用者宅に介護用品が何年も置いたままにされている状況にニーズを見出した。コスト削減したい施設への販売も多い。開始当初と比較し、事業の年間売上は10倍の400万円に伸びたという。

 

 

岡本和也代表社員

 

 

福祉用具貸与・販売事業においては、要介護2以上もしくは一定の基準を満たさないと車椅子を借りられない、区分支給限度額に達して借りられないなど、介護保険制度上では必要な物が手に入らないケースがある。このニーズに着目し、岡本和也代表社員は「地域に介護専門の中古買取・再販は少ない。新品のほかに中古で買う選択肢を提供したい」と語る。

 

 

例えば新品だと10万円の車椅子を中古であれば半額で販売。しかし当初は売上が伸び悩んだため、リサイクルショップなどから仕組みを学び、施策を打っていった。

 

その1つはLINEでの利用促進。買取希望者に対しては、写真を送るだけで見積もりができ、購入希望者に対しては気軽に相談ができる体制を構築した。また、中古に対する不信感を払拭すべく、半年間はメンテナンスフリー・全額返金保証、個人であれば一年未満は半額買取という独自の保証制度を設け、安心感につなげた。

 

加えて重視化した点は、介護保険が適用になる人には無理に売らず、レンタルを勧めること。「急に介護が必要になった際、道具から揃えようとする人は多い。介護保険制度があることを説明し、地域包括支援センターに紹介する」と岡本代表社員。すると、ケアマネジャーや他事業所から信頼を得て、紹介による買取・販売のルートが増えていった。

 

 

さらに、商品のラインナップを揃える工夫も実施。事業開始当初は入浴・排泄用品の買取ばかりだったが、足りない品は仕入れで補填することで、現在は100種類を揃え、購買者からのニーズに応える体制を作った。

 

「一般のリサイクルショップではなく、介護に知見がある我々だからこそ品の価値がわかり、必要な人に必要な物を届けられる」(岡本代表社員)。現在はFC展開や開業支援も手掛けている。

 

 

100種類もの介護用品を揃える。おむつの中古買取・販売も好評

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