子会社社長を公募 新卒5年目社員が就任 日本ロングライフ

2023年5月29日

5月3日号で伝えた通り、高齢者住宅運営を手掛ける日本ロングライフ(大阪市)の100%子会社で、高齢者住宅入居相談事業を展開する花ここち(同)の新社長に北林拓馬氏が就任した。社内公募に応じた26歳の若手社長に、立候補の動機や今後のビジョンについてインタビューした。

 

 

 

 

父が福祉経営者 背中を見て育つ

 

 

花ここち 北林拓馬社長

 

 

――経歴を教えて下さい
北林 父が福祉事業を経営していたこともあり、就職活動の際には福祉・介護業界も視野に入れていました。何社か応募をしましたが、その中でも若手スタッフを積極的に登用していることなどが決め手になり、日本ロングライフに入社を決めました。入社後4年間、運営する高齢者住宅の入居者営業に携わりました。

 

 

――今回の社長公募について、詳しく教えて下さい
北林 以前より、日本ロングライフを含むロングライフホールディングでは、人材育成・スタッフの自主性尊重などを目的に、新規プロジェクト立ち上げなどの際にはメンバーの社内公募を積極的に行ってきました。

 

社長の公募は今回が初のケースです。社内イントラネットで告知されたのですが、年齢、職歴、経験、雇用形態を問わず、誰もが手を挙げられるものでした。

 

 

――公募にはすぐに応じたのですか
北林 経営者である父の背中を見て育ってきたこともあり、「いつかは企業の経営に携わりたい」という気持ちは以前よりありました。それが日本ロングライフに総合職として入社した理由でもあります。

 

一方で、以前「花ここち」の業務には少し携わった経験があり、その大変さを実感していました。また、父に相談したのですが「経営者という立場は厳しいものだ」とも言われ、正直なところ迷いました。しかし、最終的には「この年齢で経営を任せてもらえるチャンスはそうそうないだろう」と思い立候補しました。

 

 

若さを前面に他社と差別化 入居相談事業 展開

 

――新社長として、今後どのようなことをしていきたいですか
北林 まず「花ここち」は、会社としては2019年に設立しましたが、しばらく休眠状態にありました。まずはこれを一刻も早く再び軌道に乗せたいです。

 

長い歴史があり上場している会社が母体であることや、学生時代に野球(ピッチャー)をしてきた私自身の若さ・アクティブさを差別化ポイントとして、早々に業界内での立ち位置を確保していきます。親会社からは「1年で」と言われていますが、半年を目途に何らかの形・成果を示すことが目標です。今後は介護・医療業界の会合などにも積極的に顔を出して、人脈作りを行っていきたいと思います。

 

これまで、日本ロングライフが運営する高齢者住宅への入居を検討している人の中には、条件面などの折り合いがつかずに諦めざるを得ないケースがありました。しかし、それではその人の「高齢者住宅を必要としている」という課題を解決したことにはなりません。入居相談事業は、その解決につながるものであり、社会的な使命が大きいと感じています。

 

 

――中長期的にはどのようなビジョンを持っていますか
北林 高齢者住宅入居相談事業は、飽和状態に近いのではないかと思っています。将来的には高齢者・福祉に関わる分野で、何かもう1本新しい柱を作りたいと考えています。

 

 

 

 

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