【最新リフォーム事情 】断熱リフォームで光熱費削減 時代に即した改修で入居促進

2023年9月2日

 

多くの施設で設備が更新の時期を迎えリフォームをめぐる動きは今後ますます顕著になるだろう。介護・医療施設の設計や施工管理を手がけるケアスタディ(千葉市)は利用者と現場スタッフ双方にとって過ごしやすい施設を目指し「攻めの改修」を提案している。これから求められるリフォームについて間瀬樹省社長に話を聞いた。

 

 

ケアスタディ 間瀬樹省社長

 

 

――これまでの経歴について
間瀬 元々家具メーカーのデザイナーとして入社し、介護施設専任デザイナーとなりデザイン手法の研究から案件ごとのデザインまで担当していました。2011年に介護施設専門の設計事務所である当社を設立し、設計や用具の開発を通して介護施設の居住環境の向上を図る取り組みをしています。一都三県の改修がメインですが郊外でも要望に応じて活動しています。

 

 

――リフォームの問題について
間瀬 厚生労働省がユニット型への移行を推奨する前に開設した90年代の施設は、居室は4人部屋で大浴場のみ、狭い間取りの個室トイレが複数といった施設が多かったと思います。そのような施設では4人部屋でプライバシーがないことを嫌がる利用者も多く、入居希望者の要介護度が高くなっていることも踏まえて、「トイレは個室ではなく車椅子でも使用しやすいのが良い」「大浴場では入りにくいので個浴や機械浴を設置してほしい」などの要望がありました。

 

これらの要望に応えるために開設から20年以上経過したタイミングで改修することが大事だと思います。私の実績では以前は新築8割、改修2割だったのが、ここ最近では新築4割、改修6割となり、これから改修の割合はますます増えると予測しています。

 

 

改修後のトイレに格子状の手すりを採用

 

 

――改修のコツは
間瀬 老朽化した装置の買い替えやエントランス、内装をきれいにすることだけではなく、攻めの改修が大事だと思います。具体的には
① 体の不自由な利用者にとって使いにくくコストもかかる大浴場を複数の個浴へと改修
② たくさん並んでいる小さなトイレを車椅子用のトイレに変更
③ 定員50名規模の大食堂を15名前後の2〜3グループで使えるように間取りを変更する
などです。

都内の150床の特別養護老人ホームの大浴場を機械浴と個浴のみに改修したところ、水道代の削減効果のほかに「個浴なら介助なく入浴できる」と利用者自身でできることをするようになり、自立支援に繋がりました。

 

 

――推奨する建材について
間瀬 光熱費を抑えるために部屋ごとに適した空調機器の選択も1つの手段ですが、断熱ができているかどうかが特に大きな違いになると感じています。断熱の手段として断熱材を貼るほか、断熱性の高い塗料を塗布してより手軽に効果を出すことも可能です。

 

また、既存床を撤去して行う床の改修などは常時人が暮らす介護施設では難しいことも多いため、人通りが多いところでは施設の稼働を止めないで行えるものを使用し、居室や食堂では人がいない時間を利用して衝撃吸収機能のあるシート床材の使用なども推奨します。

 

 

――今後の展望は
間瀬 施設がもっと使いやすくなるためのアドバイスや推奨する建材などは専門家に聞くことで第三者的な目線を修繕計画に盛り込めると思います。住宅の延長線上にある老人ホームに、気軽に住めて落ち着ける、素材にこだわった修繕プランを提供していきたいです。

 

 

ニーズに合わせて個浴を設置

 

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