介護人材「不足」6割超 訪問介護員では8割超、ケアマネも不足 実態調査

2023年9月6日

公益財団法人介護労働安定センター(東京都荒川区)は8月21日、「令和4年度介護労働実態調査」(調査期間:2022年10月1日~31日)の結果を公表。介護事業所が抱える人材の不足感は増加傾向にあり、中でも訪問介護員の顕著な不足には早急な対策を要する。
 

 

事業所における介護労働実態調査は、全国1万8000事業所を無作為抽出で選定。8708事業所から有効回答を得た。
 

調査事項は

▽雇用管理の状況▽運営上の課題

▽介護サービス事業に従事する職員の状況

など6点。訪問介護員及び介護職員の採用率・離職率について、採用率は16.2%、離職率は14.4%とほぼ横ばい。訪問介護員については07年の調査開始以来、離職率はおおむね横ばいであるのに対し、採用率は減少傾向にある。

 

 

出所:介護労働安定センター資料

 
  

人材の「不足感」を持つ介護事業所は、全体で66.3%に上る。職種別では「訪問介護員」が83.5%で最も多く、次いで「介護職員」の69.3%。一方、介護支援専門員について「大いに不足」「不足」と感じている事業所も年々増加。本調査では17.2%となっている。
 

 

出所:介護労働安定センター資料

 

 

65歳以上の労働者がいる事業所は69.1%。職種ごとにみると、最多は訪問介護員で26.3%、続いて看護職員14.2%、介護支援専門員12.3%。
 

出所:介護労働安定センター資料

 

 

介護サービス事業所で従事する勤続2年以上の職員の21年の平均年収は約376万円。介護職員が約357万円であるのに対し、訪問介護員は約340万円であり、この賃金差も課題だ。
 

 

介護労働者の就業実態と就業意識調査は、①の事業所の介護にかかわる労働者3人を上限に選出。有効回収数は1万9890 人。
 

勤務先での就労継続意欲について、「今の勤務先で働き続けたい」人は58.2%と半数を上回るものの前年度比では減少。訪問介護員以外の全職種で微減となっている。

 

出所:介護労働安定センター資料

 

 

労働者の労働条件・仕事に関する悩みについては「人手が足りない」が52.1%で最多、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」が41.4%と示された。

 

 

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