夜勤が心身の負担に「1人勤務で休憩取れない」 NCCU就業意識実態調査
UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(以下・NCCU/東京都港区)は8月30日の記者会見で、組合員の就業意識・実態を調査した「2023年度就業意識実態調査」の結果を公表した。夜間・深夜勤務によって心身状態に悪い影響が「あった」とする回答が、月給制組合員で約5割に上った。
調査期間は今年3月23日~4月28日。月給制組合員4232名、時給制組合員1778名が回答した。
回答者の年齢について、月給制では50歳代が最多で30.2%、次いで40歳代が27.6%、30歳代が19.3%。60歳代以上の割合は12.1%。20歳代及び20歳未満の割合は10.5%。
時給制においても、50歳代が最多で28.5%。20歳代及び20歳未満の割合は3.6%。60歳代以上の割合は30.3%。
介護業界で働いている年数について、10年以上の人の割合は月給制で62.2%、時給制で52.3%。一方、現在の会社での勤続年数が10年以上の人は、月給制で34.8%、時給制で29.0%となっている。
また回答者全体の7割以上が転職経験があるとしていることから、介護業界内で勤務先を変えながら働き続けるというスタイルの人も珍しくないことが分かる。
集中力が低下 勤務に支障も
3月中に夜勤を行った人について、夜勤・深夜勤務中の休憩が取れていない人が多いことが分かった。この割合は月給制で43.3%(n=1139)、時給制で53.0%(n=164)だ。

NCCU資料より作成
その理由については、「1人夜勤のため職場から離れられない」という声が多い。
この結果について村上久美子副会長は、「特にグループホームは21年度の報酬改定で一定の要件の下、夜間の人員配置を緩和し3ユニット2人で対応可能になった。しかし調査の結果から、こうした夜間の人員配置の緩和が実現可能なのか疑問だ」と語った。
また、半数近くが夜勤・深夜勤務によって心身に悪い影響があったとしている。具体的には、疲れが取れない、眠りが浅くなった、集中力が低下するようになった、という訴えが多い。
会見で染川朗会長は「介護業界において若手が減少している現状について、強い危機感を抱いている」と述べた。
介護業界のみならず全産業で働き手が不足している。若手に介護業界に来てもらうためには、そうした人材獲得競争に負けない処遇を実現しなければならない。「そのためには介護報酬の向上など国の後押しは必須」と染川会長は訴えた。

NCCU資料より作成